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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第四十四話
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ん。明後日にはここから見て、陽があの枝にかかった頃にお会いいたしましょう」

にこっとしたディアドラさんの美しさはヤバイ。
シグルドさんが一撃でやられたのも無理は無い、そんなことを思いながら街へと戻った。





 すでに夜の帳は降りていて、一杯やってから帰ると言う同行者と別れた俺は街の大通りをまっすぐ進み、逗留している宿へと歩みを進めていた。
露店の類はほとんど姿を消し、数少ない酒場と幾つかの屋台が投げかけるか細い明かりが、昼の間はここは街だったのだと主張していた。
いつもなら露店がある辺りの端っこに、フードを被った何者かが椅子に腰をかけていた。
特に気にも留めず通り過ぎるつもりだったが……
どう考えても届く訳の無い距離だったにも関わらず、何故か袖を掴まれてこの人物の前に立っていた。

「……占って差し上げますわ、遠慮は御無用」

フードの奥には黄金そのもので造形したような輝く髪に、神の為した造形の奇跡という表現が適切なほど整った顔立ちの美女の姿があった。
首から下がっているネックレスに彼女の指が触れると、その髪よりもなおきらびやかな輝きを発し、絡まるように編まれた細工がねじれた黄金の滝を幻出したかに見えた。

「あなたはソレを追ってはなりません。 訪問者が訪問者に首を刎ねられることを防げたならば……空から放たれる輝きにあなたは貫かれることになるでしょう……でも、それは、あなたにとっての救い」
「意味がわからないです、そして、まず【ソレ】って何でしょう?」
「ふふふ……ねぇ」

占い師の美女は魅きこまれそうな、これが蟲惑の笑みというやつだろうか……を浮かべて両手を差し出し、俺の頬を掴むと、けだるげな表情を浮かべながら

「元の世界に戻ったところで……あなたは元の暮らしに戻れると思うの?」
「な、あんたは一体? ただの占い師じゃあ無いのはわかるが何者だ!」
「ねぇ、なんの躊躇いも無く人を殺せるアナタが、あんな平穏な暮らしに戻れるとお思い?」
「そんなの……」
「やるべきと思ったら世の中の仕組みを無視して突っ走るあなたが、法や秩序や慣習であんなにも身動きのとれない世界の息苦しさに狂ったりはしないかしら……自由に、なりましょ……」

それから彼女が小声で囁くと、俺は急に体が熱くなり、ふつふつと彼女への欲望が湧き立った……


俺には大切な人がいる。
こんな行きずりの女性に、しかも力ずくで及ぶなど、してはならないことだ。
衝動を耐えきった俺を見て、彼女は表情を改めると邪気の無い笑顔を浮かべた。

「……流石。 思い通りに出来る男は大好きだけれど、思い通りにならない男もたまらないの。 
また、必ず会うことになるわ。 今のわたしは…ルヴェ…グ……ヘイド、そして……ナディ…ス」

俺は
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