暁 〜小説投稿サイト〜
形而下の神々
過去と異世界
スティグマ
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 その日の夕食後、サンソンの周りに人が群がっていた。どうやらシンバとの戦闘で得たモノを集落全体で分け合ってるらしい。子供達まで集まっているが、彼らは多分サンソンの武勇伝を聞きに行ってるのだろう。

 と、子供のうち一人が俺とグランシェの方に寄ってきた。まぁ彼の目にはグランシェしか写っていないのだろうが。

「ねぇグランシェさんってサンソンさんと決闘して勝ったって本当?」
「決闘って程ではないが、剣術では俺の方が強いみたいだな」

 すると子供は目を輝かせて言った。

「凄い!!サンソンさんは僕達の集落で一番強い先生なんだよ?」
「そうみたいだな。サンソンから聞いたよ」

 グランシェはお得意のドヤ顔。子供の目は相変わらずキラキラだ。

「凄いよね!!どうやってそんなに強くなったの?」
「ん〜、いつも戦ってたらこのくらいにはなるよ。サンソンだって本気を出したら俺より強い。
彼の言う事をちゃんと聞いてたら強くなれるさ」

 おっ、グランシェなのに良い事を言う。

 俺は戦闘については全くの素人だが、日本にもよくある「先人を尊べ」という思想は万物において共通なのだろう。

 そこでふと、疑問に思った事があった。俺は子供たちの間に割って入り、グランシェに質問を投げかけた。

「そういえば、グランシェの先生ってどんな人なんだ?」

 グランシェからは先生だとかの話を聞いたことは無いが、まさか居ないなんてことは無いだろう。
 と、彼はドヤ顔を崩さないままで言った。

「あぁ、SASの英雄さ。プロフェッサーと呼ばれていた、サバイバル教官だ」

 プロフェッサー。大学の学位で言えば教授かそれ以上。あだ名が教授とか、凄いのか凄くないのかわからんな。

「じゃあ、俺はそろそろ寝かせてもらうよ。少し疲れた」

 そう言ってグランシェがレベッカとレミントのテントへ消える。子供の方も俺にはこれといって興味も無いようで、さっさとサンソンの方へ消えて行った。
 誰も居なくなってやることも無いから、仕方なく俺も早めに寝てしまった。


 翌朝起きると、なにやら辺りが騒がしかった。話を聞くと、これから物資補給も兼ねて向かおうとしている村で原子球が発見されたとのこと。

「原子球って何だ?」
「原子球ってのは色んな物質の性質を持つ完全な生命体だ」

 疑問をぶつけると、素早くサンソンが答えた。

「いくつもの原子を蓄えていてな、食事は不要だし植物みたいに日光が要るわけでもない。
ソレ単体でエネルギーを作りだし、エネルギーを消費する。
要するに完全に自家発電が出来る生命体なんだよ」
「ほぉ、そりゃあ凄い。で、何故それが見付かると大変なんだ?」

 自分の体内で自らに必要なモノを作り出し、それを消
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ