暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 1
劉備・関羽・張飛
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話




  ―― 盾二 side 北平 ――




「ひぃぃん……」
「泣くな、手を動かすんだ! 泣いても現実は変わらん!」

 目の前で桃香が泣いている。
 俺は、やや強い口調で桃香を叱咤した。

「無理だよぉ……絶対、無理だよぉ……」
「泣くな! 無理というな! やればできる!」
「ひぃぃん……」

 えぐっ、えぐっ、と泣く桃香。
 泣きたい気持ちはわかる。
 わかるけどね……

「自分のせいなんだから泣くなってば! 俺も手伝ってるんだし!」
「うええええええん! ごめんなさぁぁぁぁぁい!」

 ……なにがどうでこうなったかといえば。
 桃香が任された政務の竹簡。
 ただ、それを片付けているだけなのである。

「まったく……もう少し早くに言ってくれればいいものを」
「だ、だって……迷惑かけちゃ悪いと思って」
「だからって夜、寝ようとした頃に泣きついてくることないだろう!?」
「ひぃぃん! だって、明日でいいかと思ったら白連ちゃんに怒られちゃったんだもん……」
「三日前に頼んだものがまだできてないなら、そりゃ怒るわ!」
「うぇぇぇぇん、ご主人様まで怒ってるぅぅぅぅっ!」

 桃香が泣きながら筆を動かす。
 まったく……誰が政務できるって?
 いや、実際はできるのだろう。
 けど……

「他の人を手伝って仕事を疎かにしてました、じゃ本末転倒だぞ、桃香」
「うう……そのとおりです」

 熱意はわかるが……優先順位はしっかりしてもらわんと。

「戻りました……まだ泣いておられるのですか、桃香様?」
「愛紗ちゃぁぁぁん!」

 愛紗が部屋に入ってくる。
 至急だった竹簡の一部を白蓮のところに持っていき、ついでに謝ってもらったのである。

「はあ……諦めてください、桃香様。泣いていても終わりませんよ!」
「ううう、愛紗ちゃんまでご主人様と同じことを言う……」
「愛紗、こっち終わった。あと、桃香の半分引き受けるからなんとか尻叩いてやらせて」
「はい、お任せください……さあ、桃香様!」
「ひっく……はい」

 愛紗が傍につきマンツーマンで処理させる。
 しかし、事務処理能力は白蓮が言うほど高くないんじゃないか?
 まあ、文明レベルからして読み書きができる程度ならそれなりだというし、そういうものなのだろうか……?

「いかん、考えてる場合じゃない」

 俺は頭を振って、目の前の竹簡に向かう。
 ……結局、全部終わったのは空が薄明るくなった頃だった。




  ―― 劉備 side ――




「ふぁぁぁぁぁっ……」
「でかい欠伸だなあ、桃香」

 思わずしてしまった大あくびに、白蓮ちゃんが苦笑する。

「あ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ