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水の国の王は転生者
第九十一話 ヴィンドボナの日々
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麗な虹を空中に描いていた。

「見事な仕掛けだな、こんどトリスタニアに帰ったらやってみよう」

 ショーンブルン宮殿の区画には、噴水や庭園の他にも動物園が建てられていて、カトレアは動物園の案内用の看板から目が離せない。

「ねえ、マクシミリアンさま……」

「分かってるよ、荷を解いたら二人で行こう」

「気を使わせてしまって申し訳ございません」

「気にするなって。公務とはいえ息抜きは必要だ」

 デートの約束を交わすと、二人を乗せた馬車は庭園を通り過ぎ、宿泊場所となるショーンブルン宮殿に到着した。

 馬車から降りたマクシミリアンは、ショーンブルン宮殿の外壁を見て呆気にとられた。宮殿の外壁は金色に輝いていたのだ。

「あ、これは……」

 マクシミリアンは思わず『悪趣味な』と口を滑らせそうになったが、何とかその言葉を飲み込んだ。

「あらあら、まあまあ」

 カトレアも同じ感想の様で、ニコニコしながらも微妙に呆れ顔だ。

 マクシミリアン一行はショーンブルン宮殿内に入ると、使用人やメイドら家人達が一斉に礼をして国賓の到着を歓迎した。

「僕たちは部屋に入って休むとしよう、他の皆もそれぞれ休んで旅の疲れを癒してくれ」

『かしこまりました陛下』

 トリステイン訪問団一同が礼をした。

「ペリゴール。ゲルマニアとの通商交渉は明日からだったか。それまで休んでいてくれていい」

「御意にございます陛下」

 『行こうかカトレア』と、マクシミリアンはカトレアを伴って、国王夫妻の寝室として割り当てられたショーンブルン宮殿でもっとも豪華な部屋に入って行った。

「さて、我々も休ませて頂きましょうか。今夜は歓迎パーティーが催されると聞いています。それまでゆっくり休んで下さい、」

 マクシミリアンとカトレアが部屋に入るのを確認すると、ペリゴールが音頭を取って訪問団の部屋を割り振っていった。

 よほど疲れていたのか訪問団は次々と割り当てられた部屋に入って行き、やがて廊下には守衛の帝国貴族とショーンブルン宮殿のメイド達、そしてミシェルらマクシミリアン達を直接世話する者達しか居なくなった。

 その様子をドア越しに聞いていたマクシミリアン。

「よし、みんな休憩に入ったな。カトレア、着替えたら早速動物園に行こう」

「でもマクシミリアンさま。今出て行ったらミシェル達に気付かれてしまうのではありませんか?」

「そうなれば、護衛が付いて『二人っきり』ではなくなるな。ん、そうだ。そこの窓から外に出ようか」

 マクシミリアンが指差す先には、大きな窓がありヴィンドボナ市の建物が木々の間から覗いていた。

「まあ、マクシミリアンさまったら」

「部屋の中を無人にすれば
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