暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-05学ぶ少女
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 カジノを出て、食堂兼酒場に席を取り、宿の鍵を見せて夕食を頼む。
 すぐに、料理が運ばれてくる。

「これが、メシだよ。料理、食事、ガキならごはん、か。ガキは、嬢ちゃんみたいな子供のことだ」
「うん、わかった」
「ユウ。それは良くない言葉だから、使わないように」
「そうなの?この人は、使ってるのに」
「兄さんは、口が悪いんですよ。()()してはいけません」
「わかった。やしなってって、ごはんを買うお金がないの?お仕事してるのに?カジノで、使っちゃったから?」
「ぐっ……」
「わたしも、あんまり持ってないけど。魔物を倒して、少しならあるから。大丈夫」
「……」
「兄さん……」
「わ、悪かったよ!そんな目で見んな!」
「ユウ、大丈夫ですよ。この街に来てからは特に、兄さんは見えるところにあるお金は、すぐに使ってしまうから。見えないように、ちゃんと隠しておきましたから。」
「おま、そんなことしてたのか!」
「なにか、問題が?また(やしな)ってとか、言うつもりか?」
「……」

 黙り込むマーニャに、少女が問う。

「あなたは、にいさんっていうの?マーニャっていうの?」
「はあ?なに言ってんだ」

 ミネアが代わって答える。

「兄とか、兄さんというのは、年上の兄弟のことですよ。兄弟というのは、同じ親から生まれた人のことです。この人の名前はマーニャで、私からみたら、兄さん。」
「わかった。マーニャは、ミネアの、おにいさんね」
「……馬鹿ってわけでもねえのに。どこの田舎(いなか)で育ったら、こうなんだよ」
「いなかって、なに?」
「田舎というのは、人や建物が少なくて、あまり(さか)えていない場所ですね。ここエンドールのような栄えた場所は、都会といいます」
「わかった。うん、わたしの村は、いなかだった」
「……どこで育ったんだよ」
「ブランカの北の山奥に、あった、村。」
「あった?」

 少女の()(まわ)しに、マーニャが怪訝(けげん)な顔をする。
 ミネアが口を挟む。

「兄さん。あとで話すから」
「村には、子供がわたししかいなかったから、おにいさんはいなかったの。大人は、おとうさんとおかあさんも入れて、八人。あと、シンシア」
「……また随分、少ねえな」
「たぶん、わたしを育てるための、村だった」
「ユウ」
「村から出たのは、初めてだから。旅に必要なことは教えてもらったけど、それ以外は知らないことが多いの。マーニャとミネアには、迷惑かけると思うけど。よろしくお願いします。」
「……迷惑なんて。そんなことはないんですよ。こちらこそ、よろしくお願いします。」
「……ま、いいけどよ。お前、ちっこいんだから、呼び捨てにすんな」

 疑問にひとまず(ふた)をして、
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ