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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
立志の章
第7話 「俺に任せろ! 必ず助けてやる!」
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  ―― 劉備 side 北平近郊 ――




「え……?」

 私の前で、鮮血が飛んだ。

「桃香様!」

 愛紗ちゃんの声が酷くゆっくりと聞こえた気がした。

「あ……あ……」

 私はなにか言葉を出そうとするけど、息ができないぐらいに口が動かない。

「お兄ちゃん! お姉ちゃん!」

 鈴々ちゃんの声がしたとき、私はその場に座り込んでしまった。

「……だめじゃないか、桃香」

 盾二さんの声が聞こえる。

「戦えないのに、戦場に……前に出ちゃ。ダメだろ……?」

 血が……血が流れている。

「こういう……危ない目にあうんだから」
「グッ……グゾッ……」

 盾二さんのナイフを持った右手が、上に跳ね上がる。
 私の後ろに迫っていた賊の頭目らしき男が、鎖骨から首にかけて切り裂かれてその場に倒れた。

「まったく……痛いじゃないか」

 盾二さんは、私をかばったときに斬り裂かれた額の血をぬぐう。
 けど、裂かれた傷は結構深いらしく、血が止まらない。

「俺に傷をつけるとは……賊とはいえ褒めてやるよ。まったく」
「お兄ちゃん! けがしているのだ!」

 鈴々ちゃんが心配そうに走ってくる。
 さっき声をあげた愛紗ちゃんは、私が傷ついていないことにほっとしつつ、盾二さんを見る。

「だいぶ血が出ておいでです。少し治療したほうがよろしいかと」
「んー……痛みはないけど、血管切れたかな? 目に血が入りそうだ。誰か布持ってない?」
「お兄ちゃん、鈴々のを使うのだ」
「ありがとう」

 盾二さんは鈴々ちゃんから受け取った布を、額に巻いて止血しました。

「とりあえず周辺の賊はもう戦闘の意思はないだろ。賊の頭目もこいつだったみたいだし、あとは兵たちに掃討と捕縛をお願いしよう。愛紗、頼めるかい?」
「わかりました。お任せを」
「あ、あと白蓮にも伝令だして。賊の頭目始末したからあとよろしく、と」
「はい」
「鈴々も手伝うのだ!」
「ああ。ご主人様、桃香様をお願いします」
「わかった」

 盾二さんは矢継ぎ早に指示を出すと、愛紗ちゃんたちはそれぞれの仕事に向かいました。
 そして私はまだ立つことも、しゃべることもできず、座り込んでいます。

「大丈夫? 桃香?」

 盾二さんが私を覗き込んできます。
 その目は――

(いつもの――盾二さん)

「無事でよかったよ。さすがに振り向いたときに桃香の後ろに賊がいたのを見たときは、背筋が凍るかと思った」
「……っ、めんなさい」

 ようやく出た言葉に自分でうなだれてしまう。
 私は……なにしてんだろう。
 盾二さんは、みんなのために戦い、殺された邑の人たちの敵を討っ
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