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なりたくないけどチートな勇者
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「ここが俺の、ランドルフ家の屋敷だ。」

そうゼノアが指差す先にあるのは、一言で言うと豪邸だった。
別にキンピカリンな感じでは無いが、かなりでかい。
自分家(25坪くらい)が百は軽く収まる。

てゆーか目の前の門だけで横にしたら自分の部屋より広い。

「でっけーなおい。」

誰に言うでも無し、独り言のように自分は言った。

「そうか?むしろ家は他の貴族よりも質素に造られているぞ。」

これで質素か、世界中の庶民に謝れ。

そう自分がゼノアに言おうとしたところで、いきなり門が開いた。

「おかえりなさいませ、ゼノア様。ようこそいらっしゃいました、ナルミ様。」

そこにいたのは、いかにも執事な恰好をして角が生えたダンディズムオーラむんむんのおじ様。
そして二十人程の大量のメイドさん。

「ただいまセブル。」

そうゼノアはダンディー執事に言いながら、着ていた上着を脱いで彼にわたした。

「お嬢様もすでにご帰宅なさっております。」

それを受け取りながらそう報告するセブルさん。
多分お嬢様とはシルバちゃんの事だろう。

しかしこれは端から見ると、ドラキュラ伯爵と使い魔の悪魔だ。
この二人、しっくりしすぎている。

「ではナルミ、いこうか。」

くだらない事考えてた自分にそう言ってずかずかと屋敷に入るゼノア。
そしてそれに慌てついて行く自分。

とりあえず着いて行くと、やはり貴族って具合に屋敷は広く、絵やら甲冑やらが飾ってあった。
多分これ、こわくて絶対自分は触れない。
下手に壊して弁償出来る自信が無いもん。

と、いろいろと屋敷を観察していると、不意にゼノアがある扉の前で止まり、自分に話しかけた。

「とりあえず、この部屋で待っててくれ。俺は父上に報告しにいってくる。すぐに戻るが、何かあったら近くの使用人に言ってくれ。」

そう言ってゼノアはさらに廊下の奥へと歩いて行った。
そして彼の表情がかなり硬くなってたのは気のせいでは無いだろう。

実の息子でさえこんなに緊張するって… 逃げ出したくなってきた…

そして部屋に待機しているメイドさんよ。
自分と二人だけになったからってそこまで顔を青くして絶望の表情をしてくれるな。

「……そんなに怖がんないでも。」

「い、いえ!あの!怖がってなど…あ、あの…も、申し訳ありませんでした!!」

そう言って全力で謝るメイドさん。
涙を目に溜め、顔は真っ青に恐怖で身体は震えている。
もはや扱いが恐怖の大王だよ。

まぁ……彼女のけしからん二つの巨大なスイカの谷間が見えるのはうれしいが。

そして、彼女の叫びを聞き付けてなんかいかにも“メイド長”っていうおばちゃんがやってきて

「申し訳ありま
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