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とある六位の火竜<サラマンダー>
佐天と能力
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階段を上り始めた頃、佐天の挨拶スカート捲りをされたのだろう初春の悲鳴が響いた。





「ひどいです・・・」
「ごめんごめん、調子に乗っちゃって。代わりにあたしのパンツみる〜?」
「あのさ、そういう話は俺のいないところでしてくれる?あと佐天、まったく反省してないだろ。」

蓮がスケボーを持って佐天と初春を止め、現在3人は街路樹の下にあるベンチに座って休んでいた。蓮は頬をふくらませる初春に同情し、まったく反省の色のない佐天にあきれる。

「見せてもらわなくて結構です!まったくもう、佐天さんは・・・」
「そんなことより、そういやどうだった?」
「どうって・・・」
「なにが?」
「決まってんじゃん。システムスキャン。」

首をかしげる蓮と初春に対しさも当たり前かのように答える佐天。

「神谷はだいたい分かるからいいとして・・・初春はどうだった?」
「私は・・・」
「ってちょっと待って!?聞きもしないの!?なんか寂しいんだけど!!」

慌てて待ったをかける蓮を苦笑いで見る佐天と初春。

「だって神谷のレベル知らない人なんていないじゃん。」
「そうかもだけど・・・こういうときさみしいなぁ・・・」
「仕方ないですよ。なんてったって柵川中学初のレベル5なんですから。」

少し落ち込んでしまう蓮をなぐさめる佐天と初春。蓮のレベルはほぼ全生徒に知れ渡っているのでこういう話に入れないのも仕方がない。

「で、初春はどうだったの?」
「ぜんぜんだめでした。相変わらずのレベル1。小学校のころからずっと横ばいです。」

苦笑いしながら言う初春。少し落ち込んでいるのが見て取れた。こういうとき蓮は黙り込む。2人より圧倒的に高位の能力者の自分がどう言えばいいのか分からないから。

「担当の先生にも、お前の頭の花は見せ掛けか、その花の満開パワーで能力値でも咲き誇れ!って・・・」
「誰だよ、その担当の先生・・・」

それでも担当の先生の言葉が気になりついツッコんでしまう蓮。佐天も同じ気持ちだったのか、

「え〜っと、その担当の説教にもいろいろツッコミたいところだけど・・・」

そう前置きしてから話し出す。

「まぁとりあえず元気だしなよ。だいたいレベル1ならまだいいじゃん。あたしなんかレベル0。無能力者だよ?」
「あっ・・・」

初春を励ました後、指で0の形を作りながら言った佐天の言葉に初春は気まずそうな悲しそうな暗い表情で黙り込んでしまう。佐天はそんな初春の様子を見てはっきりとした声で

「でもそんなの気にしない。」

そう断言する。

「あたしは毎日が楽しければそれでオッケー!」
「佐天さん・・・」

(佐天、お前すごいよ・・・)

指で作った0を覗き込みながら言った佐
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