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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第四十三話
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 王都ヴェルダンから離れる際にはバトゥ王から返礼の品をたっぷりともたされた。
非公式な訪問とは言え、同盟国の大物相手だけに気を遣わせてしまったらしい。
離れる前の夜会でガンドルフ王子やキンボイス王子と面識を持ったが、ジャムカ王子は国内の視察に出ていたようで知己を得ることは叶わなかった。
この王子二人は原作ではまさに蛮族にふさわしき所業であったが、このような平時では素朴な、ただ、自分自身と国の未来に希望を持つ若者たちに過ぎなかった。
互いに小国の王子ということで通じるところもあるだろうと話してみると、グランベル諸公家への劣等感や憧れ、だとしても自分達の故郷だってこういう所は負けちゃいないとか、思うところは同じだった。

酒宴の勢いもあって彼らと力比べも行うことになった。
もちろん、武器を持ってのものでは無く、腕相撲とか相撲やレスリングみたいにぶつかり合ってただただ腕力や体全体の力を比べるだけのものなのだが。
キンボイスには辛勝を納めたがガンドルフとは勝負がつかず、バトゥ王の仲裁があって引き分けとなった。
言い訳するなら、キンボイスと勝負してすぐの連戦だったので俺も疲労していたということで……
勝負の際には彼らに倣って上半身脱いでみると、鍛えてるな〜と感心されてぺちぺち叩かれた。
加減が強くて少し痛くはあったのだが心が通ったような気がして少し嬉しかった。
悪く言えば単純だけれど、こうやって気のいいところもある彼らと友誼を結べたのは予想外の収穫だったに違いない。

                                           




 マーファ城への船旅の中でディアドラ保護に向けての打ち合わせは毎日のように行い続けた。
彼女を発見するまでの期限をどの程度までに切るか。
……これについては一カ月、ぎりぎりで二カ月と定めたのは集落一か所に長々と滞在するのはヴェルダン側が不審に思うに違いないからだ。
その場合俺は単独で現地に留まり、探索を続けるつもりだ。

もし、説得が不首尾に終わった場合どうするのか。
……殺すのはあり得ない、これは以前決めたようにナーガの使い手を守るべきなのと俺が嫌なのもあるし、クロード神父もそんなことは許さないだろう。
話しも聞いてくれないならばそっとしておくより他無いが、多少でも耳を傾けてくれるなら出来る限りの情報を伝えたい。

説得が上手く行ったとして、どの程度協力を得られるか。
……グランベルまで同道し、父であるクルト王太子、祖父であるアズムール王に会ってくれるのか。
船の旅を断り、陸路を選ばざるを得なくなった場合どのようなルートでエバンス城を目指すか。
もし、ヴェルダン側に発見された場合、どう言い繕うか。
あくまで彼女が森から出ることを拒むならば王太子
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