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神への資格
第一章  1

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 少女は人間の時二人の男に裏切られ、辛い目に遭わされた。挙句の果てに三人目の男に告白をされたが、自らの気持ちを伝える前に殺され死んでしまった。その日にはっきり答えられなかったことを悔み、薄れ逝く意識の中、殺した相手を恨んだ。
(こんなところで死ぬはずじゃなかったのに…)
しかし少女は、少年となりて生まれ変わった。悔みと憎しみの記憶を持って。けれど、死した時の痛みはない。苦しい生活や飢えに耐える必要も無くなった。自然と悔む心や自分を殺した相手への恨みの感情は消えていく。
新たな人生を生きて行くつもりであったが、今の体は人ではなくこの命は『神』になる為に与えられた体。生き物ではない者に転生を果たしたのならば必ず、使命を全うしなければ。所詮、元は人間。『神』の思し召しには、敵わない。瞬時に彼は、運命を受け入れた。
こうして少年は、天使としての術を学園に通い覚え、学園一の秀才として輝きある日々を過ごした。人間であった頃には、貧しくて通うことが出来なかった学校。目指すものは違えど、嬉しかった。自分には一生縁が無いと思っていたから。
やがて卒業試験が近づくと、互いに合ったパートナーと組み、共に協力して良い成績を残した上で卒業をする。少年にとっても、これはかなり厳しい状況になりはしたが、なんとかそこそこの良い成績でパートナーと一緒に卒業を果たすことが出来た。
だが、これで終わりではない。卒業は『神』になるべき道の最初の切符でしかなかったのだ。
完璧な『神』になる為に、最も必要なこと―それは悪の穢れを払い、人々を救うこと。救済出来なければ、素質など無いに等しい。
 二人はとある場所に約二年間の滞在(人間の家に居候)し、多くの穢れを取り除き、人を救いてポイントを稼いで、神として選ばれる十人を目指す。
ここからが本番。回想は終わり、そして今へと時間軸は戻る―。


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