立志の章
第1話 「あや……へんなのがいるよ?」
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はるか超古代、現代を遥かに上回る科学力を持つ文明が存在した。ある遺跡から発掘された金属板に、 その超古代文明の人々からの警告が記されていた。
「我々の残した遺産を、悪しき者より守れ」と。
そのメッセージに強い危機感を抱いた特殊組織「アーカム」は、彼らの遺産をあらゆる権力から守り、封印するチームを結成した。
様々な組織はそのアーカムのトップエージェント達を恐れ、こう呼んだ。
遺跡の守護者「スプリガン」と……。
―― ??? side とある戦場にて ――
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハッ……」
俺は走っていた。ただただ、走っていた。
夕陽すら差し込まぬ深い原生林。道すらない森の中。ただひたすらに走っていた。
(俺はまだ――こんなところで死ねない!)
試験のはずだった。憧れの一員となれる試験のはずだった。
ただの試験ではない。死の危険は当然あった。むしろそれは日常茶飯事だった。
だが、俺と相棒にとってはさしたる障害ではなかったはずだ。いつものように仕事をこなし、脱出する。
ミッションの難易度もそれほど難しいとは思わなかった。相手とて。
だが、誤算があった。
(俺たちは浮かれていたのだろうか? この新型の最新装備をもらって――)
俺の持つ、いや”着ている”装備。
世界最高の、すでに”オーパーツ”と呼んでよい程の性能を持つ装備。
人知を超えた産物――AM(アーマード・マッスル)スーツ。
一見、ただの皮のライダースーツの様に見えるそれは、超古代の遺産と現代の先進科学、そして一部錬金術すら利用した奇跡のスーツ。
その”弾丸すら通さぬ”スーツと、一緒に戦い抜いてきた相棒と共に。
このミッションさえこなせば、晴れてこう呼ばれる存在になっていたはずなのだ。
――遺跡の守護者 スプリガン、と。
(どこで間違った……なあ、相棒)
俺は走りながら、肩に背負った”モノ”に問いかける。
それはすでに事切れ、首の無くなった”相棒”の成れの果て――
(置いていきはしない。置いていくことは許されない。共に死んでやることはできなくとも――)
共に十八年間、戦い抜いてきた相棒だった。生まれてすぐに捨てられた唯一の肉親。
たとえ死んでも、その場に置き去りになどできるわけが無い。
(魂の誓いにかけて、お前を連れて帰る――)
俺は、心の中でその誓いを再度起て――失策をした。
後ろを見てしまったのである。
―― ??? side ここでない刻 ここでない場所 ――
――迫る闇が。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……………………あ、あ
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