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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第二部
病院にて
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建物は吹き飛ばされ、コンクリートや鉄は溶けて、海には沢山の生物の死骸が浮かんでいた。・・・それはまさに、地獄のような光景。

 だが、彼女の目を引いたのは、その中のどれでもない、たった一つの光景だった。

「確かにあの時、貴方は気を失っていた筈よ。いいえ、それどころか、死んでいても可笑しくない状態だった!動けるような体じゃなかったでしょ!?・・・それなのに・・・・・・。」

 両手を広げて。二本の足で、シッカリと大地を踏みしめて。彼の背後で泣き崩れていた銀髪の少女を守るように、彼は立っていたのだ。立ちながら、気絶していた。血は殆ど流れていなかった。何故なら、全身が焼け爛れていたから。神経や血管も焼かれているのが、一目見て分かる。死ぬ一歩手前、そんな状態だった。

(貴方は、何なのよ・・・!)

 その姿を見て、彼女の胸がズキンと傷んだ。今までに感じたことのない感覚。原因不明のその痛みが、彼女を襲ったのだ。

 泣き崩れていた少女に聞くと、彼は、神の前に立ち塞がったのだという。少女を守るために。意識すらもない状態で、彼は彼女を守ったのだと。

「何が、貴方をそこまでさせるのよ・・・。」

 不甲斐ない自分への苛立ちと、理解できない人間へ対する混乱。彼女は、先程出会ったばかりの護堂の顔を、泣きながら見つめるしか出来なかった。

 ボッ!

 周りを観察出来る精神状態ではない彼女には、彼の枕元に置かれている古い石版が、薄く光を放っている事に気がつく事が出来なかった。

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