暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一〜四章
四章 モンバーバラの兄弟
4-04毒気を抜かれることもある

[8]前話 [2]次話
「田舎は嫌いなんだよ。町が、酒場が恋しいぜ」
「兄さんはいつも飲みすぎなんだよ。たまにはいいだろう」
「うるせーよ」

 言い合いながら歩いていると、犬が激しく吠えながら走り寄ってくる。

「わん!わん、わん!」
「うわっ、なんだいきなり」
「ペスタじゃないか!」

 犬はミネアに盛んにじゃれついている。

「ああ、ミネアが拾った犬か。でかくなりやがって、わからなかったじゃねえか」
「元気だったんだな、ペスタ!」

 ミネアはペスタを撫でまわし、ペスタはますます嬉しそうにじゃれかかる。

「おい。いい加減、行こうぜ。真っ暗になっちまう。ど田舎なんだからよ」
「そうだね。ごめんな、ペスタ」

 ミネアがペスタを離し、歩き出したふたりに、ペスタが続く。

「……ついてきやがるな。いいけどよ、別に。」
「しっかり覚えててくれたんだな。あれから随分経つのに」

 犬のペスタを従えて、ふたりは自宅であった場所に到着した。


 父が殺された日に荒らされ、そのまま打ち捨てられた家は、荒れ果てていた。

 (かたき)への憎しみ、なぜ父がという疑問、失われた幸福な日々の追憶(ついおく)

 様々な想いが去来(きょらい)するのを飲み込み、屋内を通り抜けようとしたところ、何か動くものがある。

「ん?(ねずみ)か?」
「鼠じゃない。スライムだ!」

 咄嗟(とっさ)に武器を構える。

「いじめないでくれよー!ぼくは悪いスライムじゃないよ!」
「喋りやがった!」

 警戒を解かず、武器を下ろさないふたりに、スライムは焦ったようにさらに口を開く。

「あ、そうだ!オーリンて男は、鍵のかかった扉でも、こじ開けることができたよ!」
「オーリンだと?」

 オーリンは、父エドガンのもうひとりの弟子である。
 バルザックからエドガンを守ろうとして、大怪我をしたらしいが、その後の行方がわからなくなっていた。

「お前、オーリンを知ってやがるのか」
「ぷるぷる、ぼくが知ってるのはこれだけだよ、ごめんね。」

 謝られ、毒気(どくけ)を抜かれる。

「いや……。いいけどよ……。」
「君は、どうしてこんなところにいるんだ?」
「ぼくは悪いスライムじゃないから、悪い魔物にいじめられちゃうの。だから、かくれてるんだー」
「お前、勝手に他人の家に……。まあ、いいか。今さら住むわけでもねえしな。隠れるんなら、しっかり隠れてろよ」
「村の人が驚くからね」
「うん、きをつけるー」


 スライムを置いて、裏庭に向かう。

「あんな魔物もいるんだね」
「全く、調子狂うぜ」
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ