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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一〜四章
三章 トルネコおばさん
3-07お節介かとは思います

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「ふむ。それでモニカ。お前は、リック王子のことを、どう思っておるのじゃ。」

 あら、そんなお話だったのね。戦争のことは、どうなったのかしら。

「……素敵な方だと、思いますわ。」

()うても良いと、思うほどにか。」

「……ええ。はい、私、リック王子様と、結婚いたします。」

「本当に、良いのじゃな。わしは娘を、犠牲にするつもりは無いぞよ。他に打てる手は、無いでは無い。」

「リック王子様は、素敵な方ですわ。私などを、深く愛していてくださいます。」

「……そうじゃな。すまぬな、モニカ。」

「謝られることなどありません。私、きっと幸せになりますわ。」

「うむ、そうじゃな。トルネコと申したか。ボンモール王に手紙をしたためるゆえ、少し下がって待ってはもらえぬか。」

 お話は終わったのね。ご結婚なんておめでたいけれど、お姫様のご様子が、なんだか。
 笑顔だけれど、少し悲しそうな。

「もちろん、お待ちしますわ。」

「お父様、私も、少し。お部屋に下がっても、よろしいでしょうか。」

「うむ、下がって休むが良い。」

 姫が謁見の間を出る。

 なんだか心配だわ。お節介かもしれないけれど、少し行ってみようかしら。

「王様。失礼にあたるかもしれませんけれど。お待ちする間、少しお姫様と、お話ししてみても、よろしいですかしら。」

「……そうじゃな。姫は早くに母を、つまりわしの(きさき)をじゃが、亡くしておる。男親ではわからぬこともあろう。よければ、話してやってくれ。」

「では、ごめんあそばせ。」

 姫を追って謁見の間を出る。


 許可を得て、姫の部屋に入る。

「お姫様。」

「あら、さきほどの。トルネコ様、でしたかしら。」

「あらやだ、トルネコ様だなんて。気軽におばちゃんとでも、お呼びくださいな。」

「まあ、楽しい方ですのね。では、トルネコおばさま。」

「あらあら、なんだか照れちゃうわねえ。」

 笑い合い、和んだところで話を切り出す。

「ところでお姫様。その、王子様とのことですけれど。本当に、よろしかったんですの?」

「ええ。あんな素敵な方と一緒になれるなんて、私は幸せ者ですわ。」

「ええ、確かに素敵なお方でしたわね。でも、お姫様のご様子ですと、その。もしや、他に、想う方でも。」

「……良いのです。叶わぬ想いですから。」

「その方は、お姫様のお気持ちを、ご存じですの?」

「はっきりと、お伝えしたわけではありませんが。おそらくは。」

「あら、まあ。こんなに素敵なお姫様を、そんな。まあ。」
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