暁 〜小説投稿サイト〜
クラディールに憑依しました
しあわせになれる場所を探しました
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
目なんだ。
 …………せめてギルドが一緒だったら事務側に回して、シリカと一緒に仕事をさせるんだがな。
 サチは月夜の黒猫団のメンバーだ。血盟騎士団である俺達が口を出して良い話じゃない」

「でも……でも、サチさんは友達です!」
「それなら、こっそり話をしておいてくれないか? 月夜の黒猫団を捨てて血盟騎士団に入れってな」
「――――それはッ!?」


 シリカは驚き、何も言えずうつむいて、そのまま押し黙った。


「深く考えるな。みんな自分の事だけで精一杯なんだ。
 サチの事なんて、他人の事なんて、そうなれたら良いねって程度で良いんだよ。
 生きて行くには、本人の目標と努力が必要なんだ。

 俺達がサチの事を決めちゃ駄目だ。サチの事はサチ本人が決めなきゃいけないんだ。
 サチが選んでサチが決めたら、俺達はそれを助けてやるだけさ」
「…………はい」


 暫く待ってみたがシリカの涙は止まりそうに無い。


「なぁ、シリカ。やりたい事があるなら、どうすれば出来るか調べなきゃいけない。
 俺達がサチを助ける為には、サチを血盟騎士団に誘う事しかできない。
 今俺達に出来る事はそれだけだ。傍に居られないなら手を伸ばせば良い。

 後はサチが俺達の手を掴んでくれるのを待つだけだ。
 誰だって死にたくない。楽しみたい。幸せになりたい。一度は思う事だ。
 サチが俺達の手の中にそれを見つけられるなら、必ず手を取ってくれる。

 シリカ、お前は何を思う? 答えを出せるのなら、後は調べて努力して幸せになれ」


 暫くするとシリカが涙を拭いて顔を上げた。


「…………あたしの答えはまだ判りません。
 でも、いつか見つけたいと思います。あたしが幸せになれる場所。
 ――――できれば、あたしの好きな人と一緒に」

「そうかい、せいぜい頑張れ。
 さて、かなり時間食ったな。奥に行くぞ」

「……………………………………精一杯がスルーされました」

「何か言ったか?」
「な、何でもありません!」


 シリカを後ろから抱えて隠蔽スキルと忍び足スキルを発動させた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ