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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―ジェネックス―
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 セブンスターズ関連の事件以降はずいぶんご無沙汰となっていたと思いながら、保健室のドアから新品のオベリスク・ブルーの制服を着て授業がある教室へと歩こうとする。
俺の使い慣れていたオベリスク・ブルーの制服は、光の結社の皆様方が念入りに漂白してくださったためにもう使えず、クロノス教諭に頼み込んで新しく制服を支給してもらっていた。

「遊矢様!」

「……様は止めろ」

 いつぞやの学園祭の時のように保健室のドアの前で待っていてくれて、ドアが開いた瞬間にぴょこぴょこと小動物を思わせる動きのレイに対し、久々にいつものやりとりが出来たことが嬉しい。

 俺が修学旅行で斎王に敗れた後に光の結社に洗脳されてしまい、レイや剣山、三沢と戦ったことや、バーチャル空間での斎王美寿知の兄である斎王琢磨のことについての話など、重要そうな話やどうしても思いだせない光の結社時の事の顛末は三沢から聞いたが……あまり、聞いていて気分の良くない話である。

 兄の斎王琢磨は元は心優しい占い師であったが、占いの客から一枚のカードを受け取ってしまってからは態度が豹変し、あのような性格になってしまったのだという。
だが元々の心優しい性格が邪魔して度を超した非道な事は出来ないらしく、元々の斎王琢磨が抵抗している間に、美寿知は兄を救える可能性のあるデュエリストを捜しており、そのお眼鏡にかなったのがデュエルした四人だったという話だ。

 あの後も美寿知はあのバーチャル空間へと残り続けており、斎王琢磨から身を隠している……ああ、デュエル・アカデミアに入学して以来、どうにもこういうオカルトに接する機会があるのは何故だろうと考えてみるが、俺に答えが解る筈もなかった。

 俺が光の結社になった後にも、万丈目がホワイト寮を正式な寮として認めてもらおうと、刺客を送り込んでオシリス・レッド寮を潰そうとしたり、剣山が斎王に『ストレングスの象徴』としてデュエルを申し込んだりと様々な出来事があったようだ……俺が『愚者』で剣山が『力』なのがやや納得いかないが。

「……様! 遊矢様聞いてる?」

「……あ、悪い。聞いてなかった」

 考え事に没頭してしまってレイの会話を聞き逃してしまったようで、目の前のレイは怒っていることが分かりやすく頬を膨らませていた。
よく見てみれば、もう目の前にデュエル・アカデミアの通い慣れた教室があった。

「わざわざありがとう、レイ」

「これぐらい当然だよ! 何ていったって」

 これ以降のレイの言葉はなんとなく予想出来たことなので、そのまま会話を打ち切って教室に入り、久々に座ることとなる自分の席へと腰を下ろすと、もうすでに隣の席で三沢が座っていた。

「……色々すまなかった。ありがとう」

「なに、気にするな」

 これだけの
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