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形而下の神々
過去と異世界
持ち物検査
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 それから3日後、遂にレミングスは移動を開始した。

 その間に気付いた事だが、どうやらこの世にはいわゆる『魔物』的なものが存在するらしい。
 魔物と言うから、何やら世界征服とかを企んでいるのかと思いきや、そうでもなく。
 単純に自然界で蛇が蛙を捕食するように、魔物は人やそれに類似するものを捕食するのだそうだ。

 要するに、我々の天敵って訳だ。
 食べられるとか、嫌だなぁ。
 想像するだけでキモチワルイ。

 ただ、魔物とやらは大概が公式を使わないので、人間は公式で対抗するのだそうだ。
 ……ファンタスティックだ。


 あと、基本的な礼儀や所作は現代と変わらないっぽい。

 まだ毎日ドキドキしながら暮らしているが、なんとかやっていけている。

 笑われたり怒られたりもしていない……と、思う。


 ただ、食事中は絶対無言なのだそうだ。

 食器はスプーンのみ。
 俺は箸が使えるので、その辺の木の棒で代用してるが、グランシェは手づかみだ。

 別に手づかみだと行儀が悪いとかは無いらしい。

 食事中に箸を使った時には驚かれたが、麺類(多分、小麦粉と羊の乳で出来たもの)を手づかみは少し気が引けるだろう。

 その物珍しさもあってか、この集落では箸がちょっとしたブームになった。箸のおかげで何とかレミングスには馴染めたっぽい。
 そもそもレミングス自体が初対面の旅人との接触に馴れているということもあるだろうが。

 食事中は黙っているのがマナーらしいのだが、言葉が無い分食べ方は見て学ぶのか、最近は視線が熱い。

 まぁ、グランシェと違い俺は気さくなタイプではないから助かってはいるが、グランシェは相変わらずの饒舌で、一瞬にしてレミングス達に溶け込んだ。

 常々恐ろしい男だと思う。
 そんな折、グランシェが突然話を持ち掛けてきた。

 「なぁ、俺らは何を目的に何処へ行くんだ?予定は有るのか?」
 「いや、特には無いが、とりあえずはこの世界でのナツキに会おうと思ってはいる」

 するとグランシェは待ってましたと言わんばかりにドヤ顔を披露する。

 「なら良い話があるぜ」
 「良い話とは?」

 本当に子供みたいだなぁ。とか思っていると、まさに子供の様な笑顔で彼は続けた。

 「この高原地帯を超えた先に街が有るんだが、調度そこは情報の街とか言われてるらしい」
 「情報の街?」

 「そ、情報の街イベルダ。ウォピタって国の首都らしい」
 
 情報の街とは、ココには大した文明は存在しないんじゃなかったのか?

 「へぇ〜、情報の街とは中々ハイテクっぽいな」

 「あぁ、なんでもイベルダの王様は世界一の頭脳を持ってるんだとさ。名前を聞いて驚いたよ」
 「ど
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