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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
長い会議と短い戦闘
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を意味するものではない。
 むしろ、帝国の中央統制が緩んだ結果、大貴族の権力が伸張する結果になっていた。
 ましてや、今回のスキャンダルが出るまでブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯の二人は次期皇帝をめぐって争っていた仲である。
 敵の失墜は喜んでも自らも失墜する羽目に陥った叛徒を許す気は毛頭ないだろう。

「このノルニル型をはじめ、帝国軍主力艦隊母艦であるアウドムラ型が出てくるとかなりの後方整備拠点となる事が想定されます。
 その為、今回の迎撃計画において最大戦力を三個艦隊の45000に想定しました」

 このあたりまでの流れは、会議参加者、特に国防委員に対して行われていると言っても過言ではない。
 文民統制は大事だが、軍事すら専門化してゆく昨今、素人で軍を扱える訳も無く。
 友愛党政権時代に出席した国防委員の、

「私に腹案がある」
「私は軍事には詳しいんだ」

の妄言の数々に翻弄された制服組からすれば、この会議は彼ら国防委員の勉強会にもなっていたりする。
 民主主義を運営するにはこのように見えないコストもかなり払わなければならないという訳だ。

「作戦部より、今回の迎撃作戦を説明します。
 情報部よりの想定によって作戦部では、三個艦隊の45000を想定して作戦計画を立てることにしました。
 イゼルローン方面軍に個々の戦術レベルは任せるとして、有事想定に伴いバーラト方面軍より二個艦隊、フェザーン方面軍より一個艦隊の計三個艦隊の増援を派遣する事を決定しており、既にバーラト方面軍の二個艦隊は訓練目的でイゼルローン方面に出撃。
 敵の出現に伴いイゼルローン方面軍に編入される事になっております」

 初動で50000隻を用意しているあたり、作戦部もフライア型が出てくる事を警戒しているらしい。
 全てが軍艦によって作られている帝国軍にとって、艦隊母艦の存在は後方にて指揮通信だけでなく整備・補給拠点としてのウェイトが大きい。
 それゆえ、馬鹿でかい艦隊母艦=移動拠点として同盟では警戒しているのだった。
 フォーク中佐の発言が続く。

「近年の帝国軍軍事作戦の失敗は、惑星カプチェランカの放棄をはじめ顕在化しており、それを糊塗する為にも帝国軍は大規模侵攻をせざるを得ないと考えております。
 その為、想定戦闘地域はアルレスハイム星域からヴァンフリート星域を想定しております」

「えらく広大だな」

 国防委員の一人が口を挟むとフォーク中佐は不機嫌な顔を隠そうとせずに説明を続けた。

「作戦部からは以上です。
 これらの移動、補給等の後方活動においては、後方勤務本部のヤン中佐に説明願いたいと思います」

 フォーク中佐は不機嫌な顔を隠そうとせずにヤンまで睨む。
 730年マフィアのお気に入りと
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