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清教徒
第一幕その七
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れる為にここへ来たのだがな。しかし」
「そうか」
 リッカルドはそれを聞いて考える目をした。
「・・・・・・・・・」
 彼は考えた。それから言った。顔を上げてきた。
「通るがいい」
「どういうことだ?」
 道を開けたリッカルドに対して問うた。
「考えが変わった。それだけだ」
 リッカルドはそう答えるだけであった。顔からも目からも表情は消している。
「どういうつもりだ」
「答える必要はない」
 そう言葉を返した。
「だが今通らなくてはならないのはわかるだろう」
「むう」
 その通りであった。今の彼にはここを通らなくてはならないのだ。彼の主の為には。
「行くがいい。それについて私は止める気はなくなった」
「陛下」
 アルトゥーロはエンリケッタに顔を向けた。彼女はそれに答えた。
「貴方の思われるように」
「わかりました」 
 それを受けて頷く。それも決まりであった。
「では行こう。それでいいのだな」
「うむ」
 リッカルドは頷いた。
「行くがいい。私が言うことはそれだけだ」
「わかった。それでは陛下」
「はい」
「行きましょう」
 こうしてアルトゥーロは庭を後にした。そして自身の馬と兵達を連れエンリケッタを伴って城を後にした。その動きは素早くまるで風のようであった。
「これでよし」
 リッカルドはニヤリともせず一言そう呟いた。
「愚かな男だ。だがそれでいい」
 そう言いながら上を見上げた。そこには宮殿があった。
「これで私の想いが適うのだとしたらな。愛を手に入れる為ならば」
 言葉を続ける。
「悪魔にでも魂を売る。それであの人が手に入るのならば安いものだ」
「リッカルド殿」
 ここでジョルジョが出て来た。

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