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清教徒
第一幕その五
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 従者はそれに頷いた。そして彼に対して言った。
「どの馬が宜しいでしょうか」
「そうだな」
 それを受けて考える。
「私が選ぼう。それが一番だからな」
「わかりました」
 それを受けて彼等は中庭を去った。後には貴婦人だけとなった。アルトゥーロはそれを見て中庭に入った。そして貴婦人に声をかけた。
「王妃様」
「私をそう呼ぶのは」
 彼女は驚いた顔で声がした方を向いた。そこにアルトゥーロがいた。
「私です」
 彼は謹んで頭を垂れた。
「カヴァリエーレ侯爵、何故ここに」
「婚礼の為にこの場に来ておりました」
 彼はそう答えた。
「陛下こそ何故ここに」
「私が夫と同じ運命を辿るとするならばここにいるのは当然でしょう」
 彼女は悲しい顔をしてそう答えた。
「それでは」
「はい。私もまた送られるのです、処刑台に」
「そんなことが許される筈がありません」
「それはどうでしょう」
 だが彼女はそれに対してそう返した。
「我が夫がそうであったようにこのエンリケッタもまた」
「天が許しません」
「天が、ですか」
「はい」
「しかし彼はどうでしょうか。クロムウェルは」
「それは・・・・・・」
 アルトゥーロはそう言われ返答に窮した。
「今イングランドはクロムウェルこそが法であり正義なのです。そして天なのです」
「それではまるで神ではありませんか」
「悲しいことですがそうです」
 エンリケッタはそう答えた。

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