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清教徒
第二幕その五
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「はい」
 彼は答えた。
「何があろうとも。これで私達は永遠に離れることはありません」
「ですね」
 それを聞いて微笑んで頷いた。
「この三ヶ月の間御心配をおかけしました」
「三ヶ月ではありませんでした」
「といいますと」
「三世紀。私にとってはそれ程長く感じられました。私にとってはそれ程長い苦しみでした」
「申し訳ありません」
「ですがその苦しみも今終わりました」
 喜びに満ちた声で言う。
「私が陛下を御護りしたばかりに」
「陛下を?」
 エルヴィーラはそれを聞いて顔色を変えた。
「貴方と共にこの城を出られたあの方は陛下だったのですか?」
「はい」
 アルトゥーロは答えた。
「あの方こそエンリケッタ王妃でした。今あの方は安全な場所で身を隠しておられます」
「それでは貴方は陛下を御護りする為にこの城を」
「はい」
 また答えた。
「そうだったのですか」
「真に申し訳ありませんでした」
「何を謝れる必要があるのですか?」
 だがエルヴィーラは首を垂れる彼に対してそう言葉を返した。
「といいますと」
「貴方は御自身の主君を護られたのですね」
「そういう結果にはなりますが」
「それは誇らしいことではないでしょうか。私はその様な方を生涯の伴侶とすることに誇りを持ちたいと思っております」
「誇りを」
「はい」
 エルヴィーラは答えた。
「貴方は私の誇りです。気高い騎士です」
「気高い騎士・・・・・・」
「そうです。気高い騎士よ」
 騎士に声をかける。
「是非こちらにおいで下さい。そして共に永遠の幸福を誓いましょう」
「宜しいのですか?」
「勿論です。さあ、早く来て下さい」
「しかし」
「是非」
 エルヴィーラは誘う。
「その為にこちらへ来られたのでしょう」
「ですが」
「お願いです」
 エルヴィーラはまた言った。
「さあ、どうぞ」
「よいのですか」
「神が許して頂けます、全てを」
「神が」
 それを聞いてアルトゥーロの心が動いた。
「そう、そして私が。それでよいでしょう」
「わかりました」
 アルトゥーロはそれを聞いてようやく頷いた。
「エルヴィーラ」
「はい」
 その問いにエルヴィーラは頷いた。

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