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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
番外編:バトル・ロワイアル
番外編 第五話 Bブロック予選
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 ホークはため息をついた。
「お前、なんで開始直前にため息なんてついてんだよ。士気が下がるじゃねえか」
 斧を持った巨人、エギルの問いかけに、ホークはやはりため息混じりで答える。
「俺、ほんとなら特等席でのんびりとこの戦いを見てるはずだったんだよ。ったく、なんでこんなことに……」
 不満たらたらのホークを、ユカが非難するように軽く睨んだ。
「あんた自分でエントリーしたんでしょ? シャキッとしなさいよ」
「違うよっ! 師匠が勝手にエントリーしてきたんだ! あーもう、師匠も師匠だが、ヒースクリフもヒースクリフだ、全く。なんで本人以外のエントリーを安々と受け入れてんだか」
「師匠って……あー、あのアルゴね。あの人ならやりかねないわ……」
「だろ? なんで勝手にエントリーしたのかって聞いたらなんて答えたと思う? 『その情報は1000コルだナー』だってよ!? くそ、信じられない」
「あはは……。1000コルって、このバトロワの一般席が買えるじゃないの……」
 ここまで聞くと、ユカはもう苦笑いしかできなかった。エギルも呆れて、「信じられねえぜ」とでも言いたげに大げさに肩をすくめてみせる。
 よほど腹をたてているのだろう、ホークの語りはまだ続く。
「流石にむかついたから1000コル払ってやったよ、そうしたらな、師匠、『情報屋として、最前線のプレイヤーたちの実力は知っておかなきゃいけないダロ? でもナ、見てるだけじゃ実際の強さなんて分からなイ。比べる対象がいないもんナ。おれっちがエントリーしてパパッと調べて来てもいーんだガ、戦闘はター君の方が得意じゃないカ。つーわけで、おれっちは特等席でター君と他のプレイヤーの激戦を見ててやるから、しっかり戦ってくるんだゾー』だってよ! くそ、師匠が俺に仕事を依頼してるようなもんじゃないか! なんで依頼される側が1000コルも払わなきゃいけないんだ! しかも特等席の席代出したのも俺だぞ!?」
 激高しているホークの頭上のカウントダウンが0になり、【Battle Start!】の表示が中に踊った。

「だから俺は何が何でも決勝戦に進んで賞金を手にしてやる! ついでに賞品もゲットして師匠への土産にして、今度こそ師匠にぎゃふんと言わせてやるんだ! このまま1000コル取られ損なんてぜったい嫌だからな、覚悟しろ!」
 ホークの叫び声とほぼ同時に、アスナのアナウンスが響いた。
「時間です! 戦闘……開始!」

 激しく啖呵を切ったホークは、しかし開始と同時にハイディングを行い、その場から消え失せた。発言に行動が伴っていない気がするが、情報屋の戦いはハイディングが常である。
 ホークの《隠蔽(ハイディング)》スキルの熟練度がいくら高いとはいえ、ユカも一対一の戦いなら《聞き耳》スキルと《索敵》スキルでホークを見つ
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