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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic1-Bたとえ再び君たちに逢えるのだとしても〜Wheel of FortunE〜
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†††Side????†††

「ん・・・ここは・・・?」

長い長い夢を見ていたような気がする。深い微睡から覚醒した私が最初に目にしたのは、今居る場所の景色。全方位が薄い灰色の世界。空も地も地平線すらない。ここは「位相空間・・・か」で間違いない。あらゆる時間と空間から隔絶された次元の狭間、位相空間。
私たち“界律の守護神テスタメント”や一部の“霊長の審判者ユースティティア”のみが入れる空間だ。ということは・・・「マリア・・・居るのか・・・?」どこを見ずともマリアに語りかけてみる。

「はい。ルシリオン様。マリアはここに」

前方数m先、揺らめく陽炎の如く音も無く姿を現した、5th・テスタメント・マリア。桃色の神父服(キャソック)にフード付きの外套(マント)は、まさしく“テスタメント”の聖衣。金糸のような綺麗な髪が、風もない位相空間内でゆらゆらと漂っている。アメジストのような美しい紫色の瞳は真っ直ぐ私を見ていた。

「また助けてくれたんだな、ありがとう」

「いいえ。間に合ってよかったです。あと少し遅れていれば、ルシリオン様は・・・死んでいました」

悲しそうな色を湛える瞳を伏せ、マリアはスッと私のところまで寄って来たんだが・・・違和感を覚えた。先程まではマリアと距離があったから何も思わなかったが、彼女との距離が近づいて初めて抱ける違和感。
何と言うか「マリア。君、身長伸びたか・・・?」とポツリと漏らす。マリアの身長は確か153cm程だったはずだ。それなのに、どうして私はマリアを見上げてるんだ? どうしてマリアは私を見下ろすんだ? 自分の体を足元から手までジッと見てみる。

「ち、縮んでいる・・・のか・・・?」

思い当たるのは、私の体が縮んでいるというもの。おそらく130cm半ば辺りにまで。マリアを見ると、無言で目を逸らされた。そうか、君の仕業か。とは言え、私の体を縮めるに至った理由があるに違いないから責めることはない。
こうして再び意識が戻ったことだけで十分だ。そしてすぐに現状を把握するために、意識が途切れる前のことを思い出す。息子バンヘルドとの戦闘。私を消し飛ばしたフィヨルツェン、シュリエルを消滅させたレーゼフェア。

「あれからどれだけ経った!? ベルカは!? アギトやアイリはどうなった!?」

ハッとして、マリアの両肩に手を置いて揺さぶる。

「申し訳ありません。アギトさんとアイリさんの行方は追跡できませんでした」

マリアが頭を下げて謝って来た。これもまたマリアを責めることが出来ない。マリアを頼りにしないのが普通なのだから。

「ベルカについてでですが、彼の世界はすでに滅んでいます」

「そうか・・・。という事は、エリーゼ達の事も・・・?」

「はい。行方は知れません・・・
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