暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
真実
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「…………我が友よ。本当に卿が、この腐った茶番を作り上げたというのか………?」

その声に、ヒースクリフは答えない。いや、最初から居ないように

振舞っている、と言うのが正しいか。

「作り上げたのかと……訊いているッ!!」

ヴォルティスが悲痛そうに叫び、握りなおした大斧を持って重戦車のような猛烈な突進を開始した。標的はもちろん紅衣の聖騎士だ。

ドッ!!

凄まじい衝撃波が空間を満たし、黒曜石の床を震わせる。ピシ、ピシ、と所々の空間が悲鳴を上げる。紫色の閃光が走り、部屋が一瞬紫色に染まる。

再びヒースクリフの頭上に、破壊不能を示すウインドウが音もなく浮かび上がる。

だがヴォルティスの斧に白銀の過剰光が宿り、それすらも喰い殺そうとじりじりとウインドウに食い込む。それを見て、ヒースクリフの目に更に憎々しげな光が宿り、それが舌打ちとして発現する。

「チッ!」

茅場の左手が鋭く閃き、出現したウインドウを手早く操作した。すると、獣のような闘気を噴出していたヴォルティスの全身から力がふっと抜ける。その手から大斧が零れ落ちて、床に音を立てて落下した。

視線を合わせてヴォルティス卿のカーソルを表示させると、HPバーにグリーンの枠が点滅している。麻痺状態だ。

茅場はそのまま手を休めずにウインドウを操り続けた。

「れ………ん…………っ」

弱々しい声に振り向くと、ユウキが地面に片膝をついていた。

咄嗟に周囲を見回せば、プレイヤー達が次々と不自然な格好で倒れていっている。

そう思っているうちに、レンの体からもガクッと力が抜ける。

音を立てて倒れたレンの目の前で、立っているのはもうキリトと茅場の二人っきりだった。
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