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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
激戦のその後に
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のしようがない。

 アーチャーの狙撃の威力は、バーサーカーとの共同戦線のときに見知っている。

 弓矢による通常攻撃で、速射砲のごとき驟雨が打ち付けるのだ。
 最後にバーサーカーを射抜いた爆撃でも撃たれようものなら、凛を除いたこの場にいる全員に被害が及ぶ。

 これでオレも士郎も、お互いに不用意に動けなくなった。
 
 アーチャーがどちらに攻撃を仕掛けてくるかわからないし、もしかしたら両方を狙い撃つことも可能かもしれない。
 ここで一番警戒するべき危険はマスターへの狙撃。超長距離からの一方的な攻撃を、確実に防ぐ手段は無きに等しい。

 ならば必然、防衛に回るべきはサーヴァントで、ここで膠着状態が生まれることになる。
 奇しくもオレとフェンサーが出会ったあの夜の巻き戻しのように、3組のマスターとサーヴァントが互いを牽制し合う形が出来上がっていた。

 一つ違うとすれば、あの時よりも幾分か物騒なことになっていることか。

「わかったでしょ、これ以上睨み合っててもしょうがない。休戦協定は今日が終わるまで有効! それでこの場は収めましょう」
「……じゃあ、後始末を手伝えなくて悪いがオレは撤退させてもらおう。気が向いたらどう始末がついたかだけ教えてくれ」
「機会があればね。学園もこの有様じゃしばらくは通常運営なんて無理でしょうし」

 さっさと行きなさいよと言わんばかりに手をひらひらと振りながら、凛は校舎へと向かって早々と去っていった。

 迷いのない行動ぶりには清々しさすらある。
 その後ろで呆然と見送りながら、慌ててついていこうとする士郎を呼び止める。

「士郎」
「……なんだ」
「オレのやり方は変わらない。一般人を巻き込むつもりはないが、敵のマスターを消すのは戦略上絶対に有り得る」
「ああ……納得はできないが理解はしてる。けど俺の考え方も変わらない。不必要な犠牲は絶対に出さない、そのために聖杯戦争に参加したんだ」
「それは敵対している相手を含めてか?」

 間髪入れずに問う。
 言葉では答えず、その強い意思を宿した目がその通りだと語っていた。





 救える命なら敵でも救うと。

 大した偽善、もしくは独善だが、それを貫くというなら評価しよう。
 もとよりそういう人間だと分かっていた。出会った当時から変わらない絶対の価値観。

 助けを乞われれば助けるし、目の前で困っていれば無条件に手を差し出す。
 だが無償の善意に返ってくるのは悪意だけだ。世の中は何事もバランスを取るように回っている。
 見方として属性というものでも割と間違っていない。善性と善性、悪性と悪性では帳尻が合わず、相殺するには善悪という別種のモノでなければならないのだ。

 財布を拾えば届ける人でも
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