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くらいくらい電子の森に・・・
第十六章
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うとした紺野さんの服のすそを、流迦ちゃんが掴んだ。
「流迦ちゃん…」
「私を、連れて行くといい」
「え?」
「あれに対抗できるのは、私が持っている音源だけ。どうしても病棟に入りたいなら、私を連れて行くしかない」
ぎりっと唇をかみしめて、紺野さんは流迦ちゃんを見下ろした。
「――絶対に離れるなよ!!」
流迦ちゃんの手を少し乱暴に掴み、足早に歩き出した。一瞬、流迦ちゃんが僕を振り返り、何か言いたそうに口元を動かした。でも目が合いそうになった瞬間、僕は目をそらしてしまった。
「まぁ、いいわ」
気分を悪くしたのか、そう言ったきり彼女は黙ってしまった。何か大事なことを伝えようとしたのかもしれないと一瞬思ったけど、次の瞬間には、新たに思い出した厄介事に気を取られて、深く追求せずに放置してしまった。

鬼塚先輩は、まだ無事だろうか……

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