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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
8 「受難のち衝撃の出会いからの確信」
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 1年ぶりに人と会話したあの日から早2日。黒髪蒼眼の青年――ナギは、今日も今日とて昼食の魚釣りに出かけようとしていた。
 メラルーたちの手も借りて建てられた我が家の横には、そこそこの大きさの家庭菜園がある。植えられているのは薬草やウチケシの実、他に食用としてダイコンやジャガイモ、ハクサイ、野イチゴなどがある。コツコツと畝を増やしていって、今ではそこそこの大きさの畑になった。彼の密かな自慢だ。いつか稲も植えて昔懐かしの米を食べたいと思っているのだが、水はけが良すぎる渓流の土では、それは随分難しい課題だった。米が食べたい。
 野菜や芋ではタンパク質などは取れないので、毎日昼は魚を取ることにしている。ユクモ地方の渓流のサシミウオは本当に美味しくて、この7年間ほとんど毎日食べていたというのに、全然飽きが来ない。まあ、料理を工夫しているというのもあるだろうが。

「今日は贅沢にフライにしてみるかな〜」

 渓流の様々なところに生えている赤い花を咲かせる草から取った油は、家の奥の壺になみなみと入っている。
 彼は菜種油の製造方法など知らなかったのだが、知り合いの老メラルーが趣味で色々なことに手を出しており、そのうちの1つが植物からの油作りだったのだ。その製造に力を貸す対価としてつくられた油をもらっているというわけである。なかなか力を使う作業で、こんなところでも彼の愛竜デュラクの力が役に立っていた。

「ふんふんふ〜ん♪」

 釣竿を肩に担いでまた竹籠を背負い意気揚々と家を出る様は、すでに隠居した身を連想させる。だが、そんな彼は今日も昼食を遅らせなければいけないようだった。
 ボコッと地面から出てきたのは、どんぐりネコ装備のハナ。
 腰に小型の樽をくくりつけているが、頭と武器の装備はもっていない。この格好は彼女がよくやることだった。曰く、「頭のヘルメットのフタがおっこちてきて、視界が悪くなる」「ボーンネコピックは長すぎてうまく使えない」。ハナが着用しているのはルイーズ用に作った武具のお古だ。まだ幼く、その中でも更に小柄であるハナには、サイズが少々大きいらしかった。唯一ベルトで調節できるどんぐりネコメイルだけ使っている、ということだろう。

「こ、こんにちはだニャ。ナギの旦那……」
「おう、よく来たな。ルイーズなら庭でデュラクと鍛錬してるぞ」
「ち、違うんだニャ」
「うん? ……ああ、マタタビパイならすまん。小麦がちょっと足りなくてな。今度ルイーズに買いに行かせるからちょっと待っててくれ」
「ニャ! 楽しみにしてるニャ! ……じゃなくて!」
「ん、じゃあ――」
「きょ、今日ニャンが用があるのは! その、旦那になのニャ…」
「俺に?」

 いつになく深刻そうな表情をしているハナを、とりあえず家に迎える。湯呑みに自作のお茶と、金庫
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