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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第5話 中ビリビリ
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れた。
生み出された試作品は、鈍い金属の色をした人形に見える。
人形の大きさは2メートルを越え、近くで見るものに威圧感を与える。
体は、部位ごとに金属で覆われ、稼働部分はむき出しの金属部品や様々な色の配線が見える。
人間にとって顔に当たる部分には、3つのレンズが人間であれば口の両端と眉間の位置に装着されていた。

生み出されたばかりの機械は、運搬用の機械に搭載され、工場の視察に来ていた、天野の前に運び込まれていた。
機械は、未だに動かない。
電力を与えることで、稼働することができるが起動スイッチが入っていない。
モノを言わない人形は、顔に装着された3つのレンズを目の前の天野に向いていた。

「天野先生、いかがですか?」
天野のそばには、工場長の新丘(にいおか)がいた。
白い作業服に、帽子を被っていた大柄の男は、天野をおそれるように、3歩ほど後ろにたっていた。
「試作機としては、こんなものだろう。
本来なら、調整が必要だが、急いでいる。
すぐに、量産化計画を起動させろ」

「りょ、量産化ですか?」
「ああ、そうだ。
300体は欲しいところだが、100体あれば十分だ」
「ひゃ、100体ですか、そ、それは……」
「新丘よ、無理とは、いわせねぇぞ!
俺の旧姓を知っているだろう?」
新丘は、顔を青くしながら直立不動の体勢をとる。
「は、はい。
直ちに、取りかかります」
「それで、いいのだよ。
それで」

天野は、部屋から立ち去る新丘に視線を移すことなく、試作品の一つを見ながらつぶやく。
「とりあえず、雑魚は用意できた。
あとは、翼を完成させれば準備は整う。
覚悟するのだな、愚かな敵たちよ。
俺が捨てた「血塗られた名前」と、本当の恐怖を思い知らせてやる」
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