第3話 勧誘
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」
「えっ!何か言った?」
「……いや、なんでもない」
樫倉は牧石の独り言に過敏に反応したようだったが、牧石の言葉に納得した。
「ちなみに、滝山さんは図書委員よ」
「滝山さん?」
牧石は、尋ね返した。
「昨日1ーGに転入してきた、お嬢様よ」
牧石は樫倉の言葉で、転入生の姿を思い浮かべようとして、断念した。
「まだ会ったことがないな」
牧石は、教室でクラスメイト同士が交わしていた会話を思い出す。
「年齢よりも幼く見える」
「金髪で、前髪を長めにフェイスラインを包み込むようにしてあるのと、胸の前まで伸ばしたエアウェーブにより、ちょっとした大人の印象が魅力的」
「隠れ巨乳」
「普段は穏やかな微笑をたたえているが、授業に集中している顔は凛として美しい」
「言葉使いは、少し関西のイントネーションが入っているが、丁寧な言葉遣い」
「関西のイントネーションが入っているのは、実家が神戸の商家だから」
「この学校に編入した理由は、婿をさがすため」
「身長は162cm程度」
「趣味は、フルート演奏。
かつて、全国コンクールで準優勝し海外留学の話もあった」
という話だけでは牧石は、滝山さんのイメージが想像できなかった。
「牧石君?」
樫倉は、考えごとをしている牧石に声をかける。
牧石は、樫倉の呼びかけに気がつかないのか、
「ウクライナ人の母親に顔は似ている」
「滝山さんのクラスメイトたちは、他のクラスメイトの毒牙から滝山さんを守るために、有志で「滝山親衛隊」を結成した」
「滝山親衛隊は、有志と言いながらクラスメイト全員が入隊した」
「滝山親衛隊の結成により、他のクラスメイトからの侵略を防いだが、滝山さんの情報提供のあり方を巡って、穏健派と保守派が対立。
穏健派の一部が、親衛隊から離脱し「さわやか見守り隊」を結成した」
「混乱した事態を収拾するため、1ーGの委員長が両派の幹部たちを集めて三者会談を開催する」
「右目のそばにあるほくろがキュート」
という、クラスメイトの話を思い出しても、
いっこうに滝山さんの事で、派閥争いするこの学校は大丈夫なのかと、真剣に悩んでいた。
「何を、悩んでいるの?」
委員長は、牧石の真剣な姿に押されて、小さな声しか出なかった。
一方牧石は、
「三者会談の最中に、日頃陰の薄い副委員長が滝山さんに委員会加入の相談を持ちかけて図書委員に加入させた」
「このことにより、三者会談は急遽中断。一方で、副委員長は、クラスの図書委員を中心に、両派の不満分子を集めて「図書委員派」を設立。混乱に拍車がかかる」
「一時的に対図書委員派で統一戦線を結ぶことにした、滝山親衛隊とさわやか見守り隊の行動により、他の図書委員と生徒会という外部からの介入を許すことになる」
「三者会談を主導
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