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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第3話 勉強開始
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それが、積み重なっていった結果が、サイキックシティと外の世界との技術力の差なのよ」

「・・・・・・なるほど」
牧石は、磯嶋の説明に素直に感心した。

「秋子、牧石君。
お楽しみのところを邪魔して悪いんだけど、もう閉店時間なんだけど」
牧石と磯嶋の前に現れたのは、食堂のポニーテールのお姉さんだった。
「悪い。
つい、話し込んでしまった」
磯嶋は、立ち上がって、容器を食器置き場に持って行く。
「すいません」
牧石は素直に謝った。
「牧石君。
夜食はどうするの?
いつものでよいの?」
お姉さんは、優しく尋ねる。
「すいません。
お願いします」
「そう言うと思って用意したわよ。
勉強がんばってね」
牧石はお姉さんから、おにぎりを受け取る。

ちなみに、具は余った食材を適当に入れているので、何が入っているのかは食べてみないと判らない。
「ありがとうございます」
牧石はおにぎりを受け取ると、自室に戻った。



「高校の勉強は難しいな……」
牧石は、研究所に併設している教育機関で余った教科書をもらい受けて、勉強をしていた。

毎年、教育機関で使用する教科書や参考書を選定する際に、出版社が教材を送ってくる。
選定が終わった教材は処分することになるのだが、編入試験の手続きについて相談するために職員室に行った牧石が、めざとく見つけて手に入れたのだ。
ちなみに、編入試験の手続きについては、職員室ではなく、学校の事務局が窓口だった。

編入試験の要綱を確認し、出題内容を調べたのだが、中学校とは大きく違うことに牧石は戸惑っていた。

「なにか、一段階飛んでいるような感じだな……」
牧石は、ため息をもらした。
「選択式の問題なら、僕の超能力で問題は解決するけど、記述式ならそうもいかない……」
5択程度であれば、卒業試験と同じ方法で答えることができる自信があった。
「だが、それじゃあ、勉強にならないからなぁ。
そうだ、明日勉強法を聞いてみるか」

牧石は、明日あうことになっている友人達に相談することにした。



翌日のお昼の食堂には、牧石のそばに迫川と福島、そして目黒が同じテーブルで食事をしていた。
「編入試験の範囲なら、中間試験とほぼ一緒だな」
目黒が答える。

「牧石君、編入試験を受けるんだ!
がんばってね!」
牧石は、迫川から右手をぎゅっと握られて上下に動かされている。

「牧石、知っているか?
迫川は誰にでもそうするのだぞ?
恐ろしいだろう」
牧石の隣に座る目黒が、同情の視線を送る。

牧石は迫川と出会うたびに過剰なスキンシップを受けるのだが、いまだに慣れない。

コンビニで、いつもお釣りを両手でしっかり握って手渡す女の子の店員さんや、毎日通
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