第2話 就職活動
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認しながらお話しましょう」
自分の仕事を行うことであった。
「……。
といったわけで、あてにしていた奨学金を返還することになりました」
「昨日のニュースにありました内容ですね。
まさか、サイキックシティ内に該当者がいるとは思いませんでした」
牧石の話しを聞いた碓氷はこう答えた。
「牧石さん、編入試験を受けてみてはどうですか?」
「編入試験?」
「ええ、そうです。
牧石さんのように、他の所から来た人のために、随時編入試験を行っています。
失礼ながら、牧石さんがどのような職業に就きたいのかは判りませんが、今すぐ就職するよりは将来を見据えて勉学に励まれた方がいいと思います」
「確かに、将来のことを考える必要がありますが、今働かなければ生活することができません」
「えっ、どうしてですか?」
「……、え?」
お互いに顔を見合わせる。
「働いていないのに、生活費を稼ぐことは出来ませんよ。
何を言っているのですか?」
「サイキックシティでは、勉学に励むことは重要な仕事だと見なされています。
そのため、市民には生活費を支給されます」
「そうなのですか?」
「ええ、ですから、昨日のニュースにありましたように、今回の事件がサイキックシティでの影響が限定的である理由です」
「よかった……」
牧石は、安心して席を立つ。
「ですから、適当なよび……」
「ありがとうございました」
牧石は、あわててお礼をいうとそのままハローワークを出ていった。
「あら、元気な少年だったわね」
「先輩!」
碓氷は、話しかけてきた女性に答える。
就職難とは無縁とも言える、サイキックシティにおいて、退職者と新入社員が増える3月4月をのぞくとハローワークの業務は余裕がある。
だからこそ、変な客が来ても忙しさを理由に断れない時もあるのだが、いまのところそん
な事もない。
「あの少年、愛衣の胸ではなく顔ばかり見ていたわね。
気があるのかしら?」
「そ、そんなこと無いですよ先輩。
だいたい、相手は15歳ですよ15歳。
犯罪ですよ、犯罪」
「3年待てばいいじゃない。
今のうちに餌付けすれば大丈夫よ」
「そんなんじゃないですから……」
碓氷は、職場内で唯一ともいえるセクハラの相手に対してため息をついた。
「緊張した……」
牧石は、外に出ると大きくため息をついた。
「あれはヤバい、マジでやばい」
牧石は、先ほど対応してくれた碓氷のことを思い出して、首を左右にふる。
「無理にでも、視線を相手の目に遭わせなければ、絶対に下を向いていた」
牧石は、最初に名札を見たときと、最期にお礼を言ったとき以外は、視線を碓氷の顔か、ディスプレーにしか向けなかった。
「牧石よ。
お前は男だ」
「ああ
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