暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル1 うんめい の よかん
第1話 卒業してはみたけれど
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は、あまり関わりたくはない。
特に「木原」と呼ばれる、実験の為なら、周囲がどんな犠牲になっても関係ないと考えている人間達とは。

幸い、超能力を活用した仕事があるだろう。
なにしろ、すべてを思った通りにできない能力だ。
聞いただけでは、使えない能力だが、逆の事を考えればうまくいくのだ。
明日から、仕事をさがすか。

「話が、大分飛んだわね。
君の今後はどうするつもりかしら?」
席に戻った磯嶋が質問する。
「はい、明日から探すつもりです」
考えをまとめた牧石は、元気よく答えた。
「そう、悪くない選択ね。
4月をすぎたので苦労するかもしれないけど、君の能力なら大丈夫ね。
でも、私が勧めてもいいけど」
磯嶋は、自分が考えていたことを牧石が考えていると思ってうなずいた。

「いえ、これ以上磯嶋さんに苦労をかけるつもりはありませんから」
「気にしなくてもいいのよ」
「ありがとうございます。
でも、これは自分で決めた方がいいと思いますから」
「そうね。
でも、困ったら教えてちょうだい。
いつでも、助けてあげるから」
「はい、ありがとうございます」
こうして、磯嶋の初めての外出が終わった。



翌日の朝、牧石はハローワークに訪れた。
場所は、研究所から歩いて20分程度の距離だ。
「久しぶりに運動したが、大丈夫か」
牧石は、運動部に所属していなかったが、それなりに運動はできた。

特に3年になってから、瑞穂のわけのわからない遊びにつきあわされてから顕著になった気もするが。
それでも、10月以降は本格的に受験勉強に向かったため、そして転生してから、昨日までは毎日超能力の訓練を行っていたため、普通の力は衰えていると思っていた。
それでも、まだ、梅雨に入る前だったので、気分良く歩くことが出来、疲れを見せることもなかった。

牧石は、ハローワークの入り口に入った。
室内はそれほど求人はいなかった。
「これが、サイキックシティ景気というやつか」

サイキックシティは、科学技術が他よりも進んでいるために、多くの外貨を稼いでいた。
このため、人的資源の確保が優先されている。

第5世代コンピューターの開発が成功しているのであれば、人間の代わりに仕事をするコンピューターが出てもおかしくないと思ったが、いまだに量産はされていないようで、人の手が必要な仕事は多いようだ。

牧石にとって、ハローワークに来るのは生まれて初めてだったので、目の前の端末をどう操作していいのか判らなかった。

タッチパネル方式だったので、普通に使用できるとは思っていたが、受付にいる女性が暇そうにこちらを眺めている事に気がついたので、話しかけてみることにした。
「おはようございます」
「職を探しているのですが……」
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