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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第7話 試験結果
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ドナは違う。
エキドナには、新しい技術革新を受け入れるだけの柔軟性を持っているからだ。

実際、この都市に存在する、後発の「エキドナ」型コンピューターである「スキュラ」、「デルピュネー」、「キマイラ」が存在しているが、性能としては、いまだに「エキドナ」には及ばない。

そして、エキドナを壊すことはコンピューターの特性上不可能に近い。
もっとも、封印をといてとき放つのなら、話は別だが、封印を解くことは所長にしかできないことだ。

もっとも、男の話も分からないことではない。
現在、エキドナは能力を制限してあり、使用するためには、所長室かこのコンピュータールームを使用しなければならない。
所長室は、所長しか使用できないため、研究等で使用するためには、コンピュータールームを使用するしかない。

本来、磯嶋は別の部屋で牧石の能力測定を行うはずだった。
ところが、急遽所長から、すべての研究員に対して、

「1 牧石の能力開発及び、能力検定はすべてエキドナを使用すること。
2 エキドナの使用については、牧石の能力が発動するまで、牧石に対して最優先で使用させること。
3 牧石に対する能力開発に対する担当は磯嶋主任研究員が全権を持つこと。
4 牧石が卒業試験に合格するまで、牧石がセンター外へ外出することを禁止とすること」
を通達したのだ。

この通達に対して、所内の研究員は驚愕し、磯嶋自身も所長に対して説明を求めるため、直接の面会を申請したほどだ。
所長は、「この件に関してこれ以上の説明はない」
という簡素な一文が送られただけだった。

牧石は、自分が新参の研究員であるため「しかたがない」とあきらめたが、あきらめられなかった男がいた。

目の前の男である。
男は、自分が進めていた研究が、最近入所した研究員とよくわからない不法侵入した少年に邪魔されたのだ。
だが、磯嶋は私に言うなという表情で男に答える。


「所長への悪口なら、直接本人にいってもらえないかしら。
建設的な発言でない、ただの愚痴なら、よそでやってちょうだい」
「さすが、所長のお気に入りの研究者。
言うことがちがうねぇ」
男は、磯嶋に対して賞賛とも侮蔑ともとれる言葉を残して去っていく。


「やれやれ、ようやく分析が始められる。
それにしても、測定結果を見る限り、理解できない結果だな」
磯嶋は、エキドナが示す詳細な表示内容を確認するたびに、ため息が出ていた。

牧石は、コンピューターの測定結果を見る限り、まじめにトレーニングに取り組んでおり、超能力が発動するために必要な意識下に置かれていた。
普通の被験者であれば、何らかの能力があらわれてもおかしくないほどマインドレベルが高かった。

「たしかに、所長が目を付けるだけのことが
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