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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第107話:当直生活
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が座っている。

「グリフィス。ご苦労さん」

「あ、ゲオルグさん。おはようございます」

グリフィスはそう言って、俺に向かって頭を軽く下げると、
艦長席から飛び降りる。

「どうだ? 何かあったか?」

「この辺は平穏でしたね。 ですが、クラナガン北部で
 人質事件が発生したとの通信が入りました」

「・・・そうか。 解決は?」

「人質は無事保護され、犯人も逮捕されたようです」

「そりゃよかった。だけどホントに多いな、この種の事件」

「そうですね。 地上本部の弱体化がここまで効いてくるとは・・・」

「そうだな。ただ、それだけの火種は前からあったってことだから、
 問題を根本から解決することを考えないと」

「そうですね・・・」

グリフィスはそう言って考え始めたのだが、眠そうにあくびをかみ殺した。

「まあ、それはともかく、今はゆっくり休めよ」

「そうですね。そうさせていただきます。それでは」

「おう、お休み」

グリフィスが艦橋を出た後、俺はこれまでと同じように艦長席に座り、
自分の作業に没頭することにした。

艦橋にいる全員が交替で朝食をとり終わって、1時間ほどたったころ、
通信を知らせる音が鳴った。
俺が通信をつなぐと、目の前に現れたディスプレイには
俺にとって頭の上がらない人の一人である男性の顔が映っていた。

「やあ、ゲオルグ」

「クロノさんじゃないですか。おはようございます」

「おはよう。どうだ? 当直3日目の調子は?」

「ま、普通ですね。それなりに寝てますし、6課は緊急対応を
 求められているわけでもないですしね」

「そうか。それは何よりだな」

「どうも。それで、今日は何の御用ですか?」

俺が尋ねると、クロノさんは急に真面目な表情になった。

「ゲオルグ」

「はい?」

「急なんだが、今夜飲みにいかないか?」

「はい!?」

思いもよらないクロノさんの言葉に、俺の声はひっくり返った。


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