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カルメン
第一幕その三
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笑う。そうして言葉を紡ぎはじめた。
「恋は言うことを聞かない小鳥、飼い慣らすのなんてとても無理なのよ」
「恋はか」
「そうよ」
 男達に応えてひらひらと蝶の様に動きながらホセをひらり、ちらりと見る。ホセはその彼女の視線に気付いて顔を顰めさせる。
「幾ら呼んでも無駄、来たくなければ来ることはないのよ」
「おやおや」
「それはまた」
「脅してもすかしても無駄なこと。おしゃべりな人も駄目なら黙っている。そう」
 またホセを見る。ホセもそれに気付いてまた顔を顰めさせる。

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