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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第28話 だからこそ、手段を選ばなければならない
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いかもしれません。
ですが、マニウスを処分したあとで、彼らが従うでしょうか?
彼らは、自分たちの給与が国からではなくマニウスから出ています」
彼らの忠誠心は何処を向くのだろうか、普通に考えればマニウスにつくだろう。
逆に簡単に忠誠心が動くようであれば、何かあれば、すぐに別のところに忠誠心は移動するだろう。

「デキウスはどうでしょうか」
近衛兵総統の事を指摘する。
「彼を見る限り、個人的な武勇のみあるようです。
しかし、彼自身は資産については、私欲が無く、周囲の兵からは敬意を受けています」
「その彼を処分できますか?」

「まあ、ガイウスは仕方ないかもしれません」
俺は、財務大臣の事を話す。
ジンクから受け取った資料をみれば、十分処分に値する罪が記載されていた。
「だが、彼らの子孫にまでその処分を求めるほどの内容でしょうか?」
ロマリア王国の法律からすれば、子孫まで処罰をあたえることが可能だ。
処罰を与えた当時は、国民も賛成するかもしれない。
しかし、時間がたてば厳しすぎるとの声が出るはずだ。

「最後に外務大臣のレグルスです。
俺やジンクに不満を持っているのはあきらかです。
だが、それだけで処分をすれば国民はどう思うでしょうか?
そして、彼は就任してまだ間がありません。
機会を与えていない相手に、処分を与えるのは問題です」
俺はひとしきり話し終わると、水を口につけ、2人の反応を伺う。


「ではどうすればいいのかのう」
「ただ、あれもだめこれもだめでは、このまま国が滅びるぞ」
「この国の崩壊を防ぐのなら、攻めるしか無いでしょう」
俺は2人に切り出した。
「攻めるとは?」

「モンスターに蹂躙された土地を奪回します」
「本気か?」
「本気です」
俺は即答する。

「土地を奪還するためには、かなりの軍勢が必要だ」
前王の言葉にジンクは頷く。
「そして、多くの命を失いかねない」
ジンクはこれまでの経過を説明する。


ロマリア王国でも、これまで何回か奪回計画を企てたこと。
そのたびに周辺のモンスターが集まり、兵が全滅したこと。
今では、近衛軍総統のデキウスですら出兵論を言わない。
「アーベル。無謀だと思わないか」

俺は、ジンクの質問に答えず、袋からお金を取り出す。
「これは、モンスターを倒したときに入手できるアイテムです」
ゴールドと呼ばれるアイテムは、モンスターを倒した後に出現する。
「この物体は、モンスターを生成する場合の触媒と考えられており、魔王の邪悪な力でモンスターが生成されていること、一度人の手に触れると、直接魔王が触れない限り、二度とモンスターには戻らないと言われています」
ジンクと前王は神妙な顔で頷く。
俺の言った話は知っているが、俺がい
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