暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第4章 新生ロマリア王国
第27話 迷ったら 現場に戻れと 言われても 俺の現場は 何処にあるやら (詠み人 アーベル)
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「さて、どうするか」
誰もいない寝室で、俺はため息をつく。
ジンクとの話が終わり、与えられた寝室で寝ていた。
とはいえ、寝ることもせず、これからの事を考えていた。


まずは、基本に返って、考える必要があるな。
前の世界での、職場の上司の言葉だ。
「迷ったら、まずは現場に戻れ」
ただ、上司の職場にとっての現場は庁舎内にしかなかった。

おそらく、上司の大好きな刑事ドラマから仕入れた話だろう。
ちなみに俺が好きな刑事ドラマは、ト・・・。
・・・、話を戻すか。


俺の旅の目的は、勇者がバラモスを倒す前に、ゾーマを倒すことだ。
そのため、勇者が旅立つ2年前に俺は旅に出た。
まず、移動手段である船を手に入れた。

今後の予定を思い出す。
次に、経験値を稼いで、自分たちの戦力を強化する。
そして、地下世界への道を探す。
また、ゾーマを倒すために必要なアイテムを入手する。
最後にゾーマの城に侵入し、ゾーマを打ち倒すのだ。

このシナリオの中に、ロマリア王になるという必要性は皆無である。
だから、頼まれても断ればいい。
SFC版なら断ることが出来たはずだ。
さらに言えば、ゲームでは王様になれるのは勇者だけのはず。
どうしてこうなった。

「いや、済んだことはしかたない」
俺は首を振る。
まだ、計画は失敗したわけではない。
であれば、今後の事を考えるのだ。


王の在位は最低1年。
法律を変えれば、短くなるかもしれないが、出来ない可能性のほうが高いだろう。
出来るのであれば、あの場で重臣達が俺に進言したはずだ。
俺が王位についても、利があるとは思えないからだ。

また、王位から逃げ出すこともできない。
既に、各国の王に俺がロマリア王に就任したことが知らされているはずだ。
今から俺が逃亡すれば、国際指名手配されるだろう。

逃げ出した場合、確実にロマリア王国の探索の手が伸びる。
ジンクが探索隊を率いるだろう。
そして、ジンクに襲われたらひとたまりもないのは、確実だ。


であれば、俺がロマリア王として一年間で何ができるのか考える必要がある。
まずは、ジンクからの依頼の解決だろう。
それが解決出来ない限り、俺は王位を誰かに譲ることができない。
協力しないとわかったとたん、消されるかもしれない。

ひょっとして、殺された王は、貴族ではなくジンクや前の王に殺されたのか。
一瞬背筋が凍り付いたが、ぶるぶると体を振らしてその考えを消し去る。

依頼の解決を果たせば、ある程度行動の自由を得ることができるだろう。
ドラゴンクエストの別シナリオのように、王様のままで冒険を続けることが出来るのかもしれない。

早く行動の自由を取り戻すために、どうすれば問題が解決出来る
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ