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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第25話 そして、ロマリア王位へ・・・
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「どうして、こうなった」
俺は頭上の装備品に手を触れる。
金の冠と呼ばれ、これまで使用していた皮の帽子の3倍という防御力を誇る。
男の魔法使いにとって数少ない装備可能な頭部部分の防具のひとつでもある。

「良くお似合いです、アーベル王」
「ジンク、うるさいぞ」
「御意」
ジンクは俺に臣下の礼をする。
「・・・、頼むからやめてくれ」
俺はため息をつきながら、前日の事を考えていた。



俺とジンクはそれぞれアリアハンとロマリアに戻り、交渉の成功を報告した。
その後、俺とテルルとセレンの3人はルイーダの酒場で今後の計画について、相談していた。
「とりあえず、俺がイオラを覚えるまで、訓練をしたいのだが」
「仕方ないわね」
俺の提案にテルルは頷く。
俺たちはバハラタで戦闘を行ったが、モンスターの出現率の関係で、どうしても経験値稼ぎの点で効率が悪い。
それならば、経験値は低いが、出現率の高いノアニールの西にある洞窟で効率よく経験値を稼いだほうがよい。
防御力が上がった今ならば、より安全に経験値を稼ぐことが出来る。

「どれくらいかかりそうなの?」
「2ヶ月あれば、十分かと」
俺は余裕を持った計画案を示す。

「洞窟からモンスターが消滅しそうね」
「それはいいかも」
セレンは頷く。
「魔の力が失われれば、そうなるのだが」
俺は疑問を口にする。

原作では、魔王が倒されない限り、決してモンスターが消滅することはなかった。
だが、この世界ではどうなのだろうか。

「というわけで、じめじめした洞窟遠征を前にカンパーイ」
テルルは、はじけた様子でグラスを掲げる。
「乾杯」
「乾杯」
「カンパーイ!」
俺とセレンは顔を見合わせながら、それでもテルルに調子を合わせる。
2人は酒で俺は相変わらず、ジュースだ。

「何故ここにいる?」
俺は、勝手に乾杯に加わった知り合いに注意する。
「いけませんか?」
知り合いは愚問とばかりに、俺たちと一緒のテーブルに座る。
「パーティ内の親睦に水を差すのはどうかと」
「一緒に冒険した仲間を忘れるなんて、水くさいではないですか」
「やれやれだ」
俺は、ため息をついて、ジンクの着席を認める。

「何の用なの?ジンク」
テルルはジンクに問いつめる。
「用がなければいけませんか?」
「い、いえ」
ジンクの真剣なまなざしに、テルルは思わず身をそらす。
「テルルさんやセレンさんの、お美しい姿を追い求めること以上に崇高な理由が、この世界にあるのでしょうか?」
「それは、・・・」
「あの」
「そんなもの、人それぞれだろうが。それに、常につきまとうのは犯罪だぞ」
俺は一般論でジンクに反論する。
とりあえず、俺には用がないようだし、安心してジュー
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