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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第6話 そして、凶報へ・・・ 
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「ただいま、かあさん」
「おかえり、アーベル」
家にかえると、ソフィアが夕飯の準備をしていた。
基本的に、ソフィアは宮廷魔術師(非常勤)として、働いており、俺や父親より先に家に帰っている。

たまに、研究で帰りが遅くなることあるが、そのときは俺が夕食をつくることもある。
とはいえ、俺が持っている過去の料理知識は役にたたないので、あまり上手く作れないのだが。

「今日はなんか豪華そうだね。
いいことでもあったの?」
「そうよ。でも、ロイズが帰ってくるまでは秘密よ」
「じゃあ、出来るまで勉強しているよ」
そういって、俺は部屋に入る。
両親の書斎だが、俺の勉強部屋も兼用している。

俺は何があったか予想してみた。
父親であるロイズが昇進したのだろうか。
父親の才能は普通だが、真面目なため、上司の評価は高い。かといって、杓子定規でもないので、周囲から嫌われることもない。
まあ、昇進したかどうかは、実際に聞いてみればわかるはずだ。
考えすぎて、話を聞いたときに「予想どおり」みたいな顔をしないように気をつけなければ。

俺は、ソフィアが研究している魔法の資料を手にとって読み始める。
この世界で冒険者が使用している魔法は、完成された魔法である。
完成された魔法というのは、誰が使っても効果が変わらないということだ。

効果が変わらないということは、安定した力を出すことが出来るという意味では便利である。
容易に戦術に組み込むことが出来るからだ。
使用を制限されているのは、習得できる職業とレベルだけ。この制限は、使用者の危険を防ぐためでもある。

メガンテやパルプンテのどこが安全かと言われるかもしれないが、死んだ場合でも、教会などで確実に復活できるという意味においては、安全である。
魔法が暴発し、もとにもどるべき体が無くなれば復活すらできない。

この世界の魔法は、安定して使用できるという意味で便利だが、変更ができないという意味では不便である。
ヒャドの0.8倍の威力が必要な時や、ベギラマの効果範囲を1.47倍にしたいと言われても変更することが出来ないのである。
完成されているので、消費MPを増減して威力を加減するという使い方もできないのだ。

そのような使い方をするためには、魔法の基礎理論を一から勉強する必要がある。
例えるなら、自動車の運転に必要な知識や技能があれば、自動車を運転できるが、自動車を改造するには、自動車の原理を知る必要があるという具合に。
普通の冒険者では、そのような勉強をする時間などないのだ。

母親は、そのような勉強が出来る、限られた職業「宮廷魔術師」になっている(ダーマ神殿で転職したわけではない)。
俺は、暇な時間さえあれば母親から資料を借りて、基礎理論を学んでいる。

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