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その答えを探すため(リリなの×デビサバ2)
第23話 温泉街で休日?
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 その日は全国的な連休であり、翠屋の経営に忙しい高町一家にとって年に数回しかない家族行事の日でもあった。

 毎年この時期になると、翠屋を他の店員に任せて一家で近くにある温泉街、海鳴温泉に出かけるのが恒例となっている。
 高町家の誰もが楽しみにしているこの行事。特に今年はなのはの友人のアリサに、忍やすずか、それに純吾の月村一家も一緒に行く事になり、例年になく楽しくなるはずだったのだが……


「ね〜ぇ、そこの駄猫ちゃん。ジュンゴがすっごい狭そうにしてるから、人間様の座る所に人間様の恰好して居座るんじゃなくて、ちゃんと籠の中にお入りなさいな。
 あのユーノ君だって、動物としてのマナーを守って大人しくしているわよ?」

 後部座席の右側に座るリリーが片頬をひくつかせながら、無理矢理押し殺したような声で自身の反対側に座る仲魔に声をかける。

「おぉっ、確かに車内が狭いにゃあ。じゃあ、もっと詰めないといけないにゃん♪」

ぎゅー
「………ぅ゛」

 しかしリリーの言葉に込められた意思をいっそ気持ちいいほど無視するシャムス。真ん中に座る純吾に強く抱きつき、自分の側に引き寄せた。

「………お、おほ、おほほほほ。だ、駄猫ちゃん? 確かにスペースは空いたわね? けれどもね、そんな破廉恥なもんジュンゴに押しつけやがりまして、ジュンゴが苦しそうだっていうのが分からないのかしらねこのバカネコが」

「にゃっはっは、持たないもののヒガミって奴かにゃん? リリーの方が身長高いのに、どこかの大きさはシャムスに負けて残念だにゃあ」

 ブチィ!

「あ゛ぁん? 何か言いやがりましたかこの万年発情猫が!」

「いにゃ〜ん、リリーが怖いにゃ〜ん♪」


 海鳴温泉へと向かう道中の車内、正確には2台目の純吾達の乗る車の後部座席。
そこは、地獄の様相を呈していた。

 あの邂逅の後、リリーとバステトとなったシャムスは普段はともかく、純吾の事ではとにかく馬が合わなかった。
 顔を合わせれば挨拶を交わすがごとくお互いにイチャモンをつけ合い、どちらかが純吾にアプローチをすれば、それを皮切りに取っ組み合いのけんかになるなど日常茶飯事。

 そんな2柱の仲の悪さは一週間なんてちゃちな時間で解決できるほど単純なものではなく、今日も今日とてこの様に互いに嫌味を言いあうのであった。

 ならせめて車だけでも分ければ良いのに、と思うかもしれないが
「「じゃあジュンゴ(にゃん)は(シャムス)と一緒ね(にゃん)♪」」
 と、一緒のタイミングで同じような事を提案し、「「真似するな(にゃ)!」」とまた喧嘩を始める始末。そんなこんなで2柱は純吾と一緒に後部座席に乗っているという訳である。

「2人とも、怖い」

「クゥ〜ン」

 
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