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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第二十二話
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 帰国の後ようやく身の周りが落ち着いてきたので、お役目を申しつけてくれるよう父上に願い出た。
加えて、よく仕えてくれたレンナートさんの騎士身分への推挙ももちろんだ。
それに対する処理はいましばらく時間がかかるだろうということで宙ぶらりんな王宮内での立場の俺は
訓練くらいしかやることは無いが、騎乗しての訓練はやはり不可能なので積極的に参加するのは重騎士団のものを選ぶより他は無かった。
将軍のゼーベイアとは特に親しい訳でも、顔見知りというほど言葉を交わしたことも以前は無かったが己の身分が味方したのであろう、いたく友好的であった。
訓練を終えたあとに将軍に礼を述べると

「いやさ、殿下。ご帰国されたばかりゆえゆっくりご静養されても良いものを、これだけの訓練の身の入りようから察するに復讐戦へ並々ならぬご決意ですな」

「…復讐戦?、とんでもない。トラキアでの日々はわたしには素朴なやすらぎすらあるほどでした。そこに暮らす民は性質穏順にて上への敬意も高く、決して蛮人と呼ばれるようなものではありませんでした………」
その後も続く俺のトラキア寄りの発言が一区切りすると将軍は

「なるほど。民草には罪は無いと仰るわけですか。臣は、殿下の火の出るような勢いの稽古は彼の国への憎しみと思い違いをしておりました。さすれば殿下はなにゆえに個人としての勇を求められる?」

「…男子として生まれ落ちたからには、誰よりも強く…を目指すのというのはわたしの立場上いささか幼稚すぎるでしょうか? 上を見ればキリが無いほどなので時として諦めたくもなりますが、せめて閣下をはじめ、みなの足でまといにはなりたくはないのです」
俺は本音とは違う答えをして苦笑し、ごまかした。

「……臣の目が節穴でなければ、殿下は一人のもののふとしてはもう充分な力量をお持ちゆえ、これよりはより広い目で戦局を見渡せる将としての心構えを持たれてはどうかという差し出がましい申し出を行おうかと思いましてな。ご無礼しました」

「とんでもない!わたしなどまだまだです。しかし、閣下のおっしゃりように多少なりとも自惚れてもよろしいのでしたら、将としての心構えを以後ご伝授いただきたい。構えて、わたしは馬上の身となること叶わぬのが、閣下もなにかで耳にされておられるかもしれません。いままで機会が無かっただけに、閣下からのご指導を仰げればわたしとしても浮かぶ背もあるやもしれません」
兄上や父上はまだお諦めでは無いようだが、俺には馬や飛竜などに騎乗しての騎士は無理だと思う。
アーマーが付くとはいえ騎士と呼ばれるものだ、それに就いたっていいだろう。



 

 訓練場を後にした俺はドリアス伯爵に会いたい旨の書状をしたため、都合のよい日を知らせて欲しいと伝令役に頼んだ。
俺が不在の間の話はターラ
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