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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
プロローグ
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 ――隕石が降ってきた。


 何を言ってるのか分からないだろうが、事実その通りなのだから仕方がない。


 いつもの変わらない朝、変わり映えのしない日常。昨日と同じ今日を迎え、明日へ続くと思っていた。それは俺だけでなく、ほとんどの人がそう思うことだろう。誰もが変わらない日常を当たり前のように送る。いつしかそれが当然のように認識していた。


 しかし、今日。今日だけは違った。


 時刻、十三時十五分。今日は土曜日のため学校も休み。以前から借りていた小説を返すため、俺は友人の宮田の家へと向かっていた。


 友人から借りた小説は『精霊使いの剣舞』というライトノベル。最近書店で並んでいるのをよく見かける人気小説だ。


 俺は元々漫画も小説もあまり読まなかったが、オタクである宮田に勧められて漫画を手にしたのが三年前の話。それからすっかり漫画や小説に嵌ってしまい、今ではプチオタクと化してしまった。ちなみに、勧められたのは尾田栄一郎大先生の『ワンピース』。それから、『NARUTO』、『ドラゴンボール』、『はじめの一歩』、『鋼の錬金術師』と多くの漫画を読んできた。


 最近では小説の『IS』、『ソードアートオンライン』、『灼眼のシャナ』、『神曲奏界ポリフォニカ』、『精霊使いの剣舞』などを読んでいる。


 漫画や小説は良い。女の子は可愛いし、男は格好いいし、話は面白いし。つい読んでいて手に汗を握ってしまう。俺にこの素晴らしさを教えてくれた宮田には感謝してもしきれない。


 今度は何の本を借りようか。そう思っていた時だった。


 突如、とてつもない地震が起きた。立っていられず、屈んでしまう程の揺れだった。建物は揺れに耐えきれず崩壊し、ガラスがそこらかしこに降ってくる。アスファルトの地面は割れ、車がタイヤを踏み外して次々と事故が発生する。


 某動画サイトで見た東日本大震災。それに匹敵するほどの――いや、それ以上の揺れだった。


 そこらかしこで悲鳴が上がり、逃げ惑う人々。パニックに陥っているのは一目で分かった。


 俺も安全な場所へ避難する。幸い、近くに緊急避難場所の自然公園があるのでそこへ向う。


 急に人々の混乱が静まった。あれほど騒いでいたのに誰もが息を呑み、空を見上げている。


 ……空?


 つられて俺も空を見上げると、皆が息を呑む理由が分かった。


 ――空から、大量の隕石が降ってきた。


 何が起きているのか分からない。いや、理解は出来るのだが、それを脳が認めようとしない。こんなこと、起こるはずがないと。


 空には無数の隕石の姿が見える。大小様々のそれは、優に千は超えるだろう。


 未だ地震は続き、
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