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ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode4 祭りの終焉2
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は流石というべきか。俺も取り合えずグラスをカチリと合わせておく。

 「どうよ? キリトは」
 「……ああ。一時期よりは、随分マシだ。こんな馬鹿騒ぎに参加するなんざ、クリスマス前のあいつからは想像もできんぞ。クラインの奴も、だいぶ気にかけてくれているようでな」
 「…そうか。それならいいがな。そういえば、ヒースクリフさんは呼ばなかったのか? 手伝ってくれてずいぶん世話になったんだが」
 「無茶言うよな、お前も…。まあ一応、誘いはしたんだがな。なんでも『申し訳ないが、私は代表という立場上皆と説教を受ける訳にはいかないのでね』だそうだ」
 「あ? なんだよそれ」
 「俺だって知らん。あとはお前とキリトに『いいものを見せて貰った。ありがとう』だそうだ」
 「っ、そいつはどーも」

 SAO最強の男からの思わぬ讃辞に、思わず頬が緩んだところをしっかりと見られてしまった。あわてて顔を取り繕うが、にやりと笑うエギルと目があっただけだった。ちくしょう、やっぱこいつには敵わないな。

 「……よしっ、みんな! 今日のクエストアイテム、《ルビー・イコール》! 十五人分もあるんだ、ここで開けちまおう! 一人一杯ずつ飲もう!」

 宴もたけなわになってきた頃に、雰囲気に酔っ払ったのか嬉しかったのかキリトが叫び、NPCマスターとエギルが二人がかりで皆のカップに酒を注ぐ。敏捷補正が飲むだけで上がるという貴重品だが、ここでそのキリトの太っ腹な振る舞いを無碍に断る奴はいなかった。

 「やっほーう!」
 「まってましたあっ!」
 「キリ君太っ腹〜っ!!!」
 「……いえーい」
 「かっこいいッス!」

 皆が口々に叫び、乾杯する。
 誰もがはしゃぎ、遊び、輝くような笑みを浮かべている。

 この時の皆の笑顔を俺はずっと、ずっと覚えていた。





 後日談。
 この宴会の終わりは、唐突にやってきた。

 「まったく、何を考えているんですかあなたたちは! 平日にダンジョン攻略をほっぽリ出してお祭り騒ぎしただけでなく、一般プレイヤーを『圏外』に出してっ!!!」

 どこからか騒ぎを聞きつけて殴りこんできた、『閃光』殿によって。

 「だいたいいつもふざけてばかりちょっとは、ちゃんと聞いてるの!? キリト君!!!」
 「はいっ!」
 「誘われたからって考えなく馬鹿なことをしたりしないで、クエストの時はきちんと、」
 「いやむしろ俺は巻き込まれただけで…」
 「いいから黙って聞く!!!」
 「はいっ!」

 他の皆は睨まれただけで解散させて貰えたが、主役だった俺とキリトは正座でのお説教を頂戴する羽目になった。「皆と一緒に説教をされる訳にはいかない」。ヒースクリフのセリフが、キリトとアスナの二人の空間に完
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