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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第二十六話 嵐近付く
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何しています』
「特に動きは有りません、……こちらから接触しますか?」
所長の問いかけに親っさんが笑みを浮かべて首を横に振った。
『その必要は有りません。時が至れば向こうから接触してくるでしょう、それまで待ちます』
「承知しました」
また二人が頷き合っている、怖いわ、ホント怖いぜ。

『何か懸念事項が有りますか?』
「今のところは……」
『そうですか、ではこれからも抜かりなくお願いします』
「はっ」
通信が切れスクリーンが暗くなった。それと同時にスウィトナー所長がフーッと息を吐いた。

「いやあ、緊張するわ」
そう言うと所長は大きな声で笑い声を上げた。
「そんな風には見えませんけど」
嘘じゃない、髭面で大男のスウィトナー所長が笑うと豪快な感じがする。何処かワーグナーの頭領に似てるよな。昔は船団長もやったって聞いてるけど確かに艦橋で仁王立ちしたら似合いそうなオッサンだ。親っさんとの会話でも緊張してるなんて欠片も感じさせなかった。

「おいおい、相手は親っさんだぞ、緊張しねえ訳がねえだろう。へまをするんじゃねえって釘も刺されてるんだぜ? お前だってカチカチじゃねえか」
「そりゃあ、まあ、俺はそうですけど」
スウィトナー所長がまた大声で笑った。

「それにな、イェーリング。後十日もすれば親っさんが来る。フェザーンの、宇宙の歴史が変わる、いや、俺達が変えるんだ。嫌でも緊張するだろうが」
そう言うとスウィトナー所長はバシバシ俺の肩を叩いた。気持ちは分かるけど痛い……。

「相変わらず親っさんは考える事がでかいぜ、胸がわくわくする」
所長が身体をブルッと震わせた、武者震いって奴かな。
「上手く行くでしょうか?」
「さあ、どうかな。後十日、どう動くかで全てが決まる。なんとか上手く行って欲しいもんだぜ。イゼルローン要塞に続いて今度はこのフェザーンを黒姫一家が乗っ取るんだからな」
そう言うとスウィトナー所長は大声で笑いながらバシバシ俺の肩を叩いた。だから、痛いんですけど……。







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