暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode3 戦姫(+α)、襲来3
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 (まいったね……)

 テーブルに着いたのは、俺、そして右隣にキリト、対面に『狂戦士』アスナ殿、そして左隣がヒースクリフだ。真正面の視線が痛い痛い。

 「……で、俺にボス攻略パーティーに加われ、と」
 「はい」

 とりあえずキリトを睨みつけておく。「てめえ俺がボス攻略関わりたくねーの知ってんだろコノヤロー」。帰ってくるのは「いや、まさか『狂戦士』が本気にすると思わなかったし、「誰か適任者がいないか」ってとっさのことでつい」。アイコンタクトでそこまで出来るのが、攻略組不真面目ツートップと言われる所以かもしれん。

 あんまり無言の会話を続けていても怪しまれるので、溜め息を一つついて目の前の『狂戦士』を見つめる。笑えばさぞかしかわいいだろうに、ここまで硬い表情では威圧感しかない。また溜め息を一つ。

 状況は、俺に不利だ。アスナの語る理屈はとても正論であり、俺には反論の余地が一切ないのだから。いや、あるにはあるが、それは俺のスキル構成が盗賊(シーフ)クラスだとか集団戦は苦手(というか嫌い)だとかの、子供のいいわけレベル以上のモノではないのが正直なところだ。

 「……まあ、俺がそれに適任なのは、分かった」
 「そうですか」

 いや、分かりにくけりゃお断り、でもよかったんだが、『狂戦士』と言うあだ名に似合わず頭の出来も相当のものらしく、話は理路整然とまとまっていて、納得せざるを得なかった。天は二物を与えずって言ったな。あれは嘘だ。反例がこうして目の前に来れば嫌というほどよくわかる。

 「……攻略組は、納得してんのか? その、プライドとか、ドロップアイテムとか」
 「個人や一ギルドの意見、いえ、我がままで攻略ペースを変えるなどは、あってはならないことです。少なくとも今回合同パーティーを組むメンバーは納得してくれています」

 ははあ、なるほど。反対している奴、ギルドもいるにはいるわけだ。まあどうせ『聖竜連合』あたりだろうが、それを押し切ったってわけだ。流石『狂戦士』と呼ばれるだけあって強引なもんだ。まあ、攻略組といっても男は男であって、美人がこの迫力で迫れば嫌とは言えんだろうな。

 (まあ、ね…)

 ちなみに俺は、今回の攻略パーティーには、別に参加してもいいと思っている。アスナの懸命の説得にあったように、万全を期しての攻略だろうし、彼女自身も最大限協力してくれるだろう。断っておくが美人の色香にやられた訳ではない。では、ない。

 問題は、その後だ。

 今回このような事態…「職人クラス」の人間を無理矢理に攻略に駆りだす、という事態が今後も続くようなら、間違いなくその中から死者が出るだろう。職人クラスのメンバーのレベルは、実は皆それなりに高い。なぜなら、彼らは鍛冶屋なら『鍛冶』、細工師なら『細工』
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ