暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode2 風来坊の止まり木
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し達、ギルドを作るんだ。それで、シドくんにも、ね」

 困ったように、はにかむ。

 「入って、くれないかなっ! きっと、楽しいと思うっ! ううん、楽しくするっ! 絶対楽しくなるっ! だから、さっ。シドくんがソロなのは知ってるし、邪魔はしないからさっ!」

 一瞬だけ溜めての、満面の笑みでの説得。

 俺に、抗う術はなかった。男というのは、先天的パラメータで劣るものなのだ、と悟ったのはこの時だったかもしれない。





 後日談。

 『軍』は、俺のアドバイス通りに二週間後に大人数で攻略に乗り出していて、無事にクエストを突破したようだった。誤算があったのは、報酬が『ミスリル』ではない、その若干劣化版というべきインゴットに変わっていた事か(おそらく人数制限があったのだろう)。だがそれでも強力な装備であることに変わりはなく、その鈍色の金属を使った防具は、『軍』をある程度は支えてくれたようだ。

 …それが『軍』の指定ユニフォームとなったことを聞いた時には、ちょっと複雑な心境だったが。

 そして、ソラに誘われて俺が入ったギルドの名は、『冒険合奏団(クエスト・シンフォニア)』。四人きりの零細ギルドで、活動は様々なクエストの攻略とその情報の販売。とはいっても日々の活動は一切無い放任主義のギルドで、ギルドリーダーであるソラが偶に「やりたいクエがあるから集合!」って言った時のみの活動するという何とも適当で、俺にとって居心地のいいギルドだった。

 ちなみに、ギルド名。

 初めはなんだと思ったものの、考えてみるとメンバーが「レミ」、「ファー」、「ソラ」、そして俺が「シド」。気付いた時にはしっかりソラにチョークスリーパーをかけておいた。



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