第十五話「年間の自殺者って三万人らしいよ?」
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ない。これって、マジでやばいんじゃないか!?
顔色を変えたグレイフィアさんが慌てて前に出ようとする、その時だった。
「やり過ぎですわ、レイくん!」
朱乃さんがレイを後ろから抱きしめた。
「気を静めて下さい。今のレイくんは見ていて悲しいですわ」
朱乃さんの言葉に掌に浮かんでいた球体も消え、殺気が霧散する。
いつもの調子に戻ったレイは頬を膨らませた。
「むー……お姉ちゃんがそう言うなら我慢する」
「ええ。良い子ですわね、レイくんは」
優しく微笑んだ朱乃さんがレイの頭を撫でる。撫でられている本人は気持ちよさそうに目を細めていた。
「一時はどうなるかと思ったわ……」
殺気から解放された部長が安堵の吐息を零した。俺もどうなるかと思いましたよ……。
「な、なんなんだリアス、この人間は!?」
冷や汗をかいたライザーが部長に詰め寄る。
「レイはただの人間じゃないわ。私も詳しいことは分からないけど、その力は強大よ」
「運がよかったね。お姉ちゃんに感謝してよー」
もう完全にいつもの状態に戻ったレイは朱乃さんの膝の上でチュッパチャップスを食べている。何が嬉しいのかニコニコ顔だ。
「それで、レーティングゲームの日取りはどうするの?」
「――ゲームは十日後だ。今すぐやってもいいが、それでは面白くない。俺の眷属に対抗できるのは『雷の巫女』とどうやらそこの人間だけのようだしな」
「……いいわ、それでいきましょう」
ライザーの言葉に顎に手を当てて何かを考えていた部長はやがて頷いた。
「では十日後に。楽しみにしているぞ。それと、そこの赤龍帝の小僧。今のお前ではその力は宝の持ち腐れだ」
そう言い残し、ライザーは下僕とともに魔方陣の光の中へと消えていった。ライザーの帰り際の一言がやけに胸に響いた。
一人だけ事情を把握できていないレイが朱乃さんの裾を引っ張る。
「ねえお姉ちゃん、レーティングゲームするの?」
「ええ。十日後にライザーさまと私たちで戦うんですよ」
一通りの話を聞くと、何を思ったのかグレイフィアさんに声を掛けた。
「今回のゲーム、僕も参加するから」
「は?」
突然の宣言にグレイフィアさんのみならず部長たちも目を丸くした。
「残念ですが、お嬢様の眷属ではない姫咲さまが出場することは出来ません」
「ということは、眷属になれば参加できるんだね?」
レイの言葉を聞いた部長が目を輝かせた。
「眷属になってくれるの!?」
「ううん、正式
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