第15話 戦乙女海賊団
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「報告は以上です」
そう言い終えると、今まで話していた恰幅のいい偉丈夫が席に着く。
皆さんご機嫌よう、シルヴィアよ。
今私はスレイプニルの船長室で3ヶ月に一度の会議を行っている。
それぞれの収益や近況、周囲の情報交換をする場よ。
長テーブルの上座に座る私。
私の横には右側にエヴァが、左側には進行を進めるセノアが座って控える。
私から向かって入口に伸びたテーブル、その両サイドに5名ずつの人間が座っている。
「それでは最後に、ドレーク船長お願いします」
「はっ」
セノアに呼ばれ立ち上がったのは、某海賊王を目指す漫画のままの、フランシス・ドレーク船長。
私の右側、もっとも上座に近い席、この席に着く10名の中では最古参。
そんな彼が、口を開く。
「イギリス王室より正式に通達がありました。スペインは通称、無敵艦隊の編成に着手。これに対して王室は、我が船団に対して、傭兵としての参陣要請を発令しました。」
私は、15年越しの計画が進み始めたことに微笑みを浮かべる。
時は西暦1585年、かの有名なアルマダの海戦の3年前である。
「ここまでは予定通りだな」
馬車で隣に座るエヴァがそんなことを言う。
そう、この計画を思いついたのはほとんど偶然だった。
スレイプニルを建造し、海賊商人として船出して70年、私たちは地中海・北海を中心に暴れまわった。
同業者の海賊船や奴隷商船を襲っては略奪し、略奪品を中心に交易でさらに利益をあげる。
同時に当初の目的だった財力を得るために、各地の商人と繋がりを持ち、独自の商業ネットワークを構築し始める。
そんな時、世界周航を終え、莫大な財宝を収めた代わりにイギリス王室より海軍中将の地位とサーの称号を得たばかりのドレーク少年(20代)と出会った。
農民の息子が私掠船の船長から、海軍中将+貴族へのランクアップをしたのだ。
そんな訳で天狗になって襲撃してきたドレーク少年に対して、私は1人の大人としてしっかりと道を正さねばいけないという責任感にかられて・・・・・・・・・・O☆HA☆NA☆SHIを発動させたわ。
世界周航を成し遂げた船、ゴールデン・ハインド号とその精強なる船員たちの心をへし折るために、心を鬼にして130門の砲弾を浴びせかけた。
結果、開戦1時間もせずに降伏。
意気揚々と敵船に乗り込んだ私の目に飛び込んできたのは、頭を下げて自ら服従を願い出るドレークだった。
そんな彼を見て、彼の経歴とこれからの歴史の経緯を思い出し、この計画を立案した。
つまりは、苦境に立たされるイギリス王室に対して、海軍力として売り込み、海賊商人からイギリス
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