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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
第三世代ユキカゼ型駆逐艦ソヨカゼV39
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てどんなに優秀でも、同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つ』って」

「それを君達の創生前から言っていたんだから、あの人もやっぱり730年マフィアの一員だよ」

 730年マフィア結成時の逸話や当人の政治家キャリアの末路から、『道化師』と呼ばれる彼女達の生みの親はその敬意と功績を持って『人形師』の名でも呼ばれている。
 かの故人を『道化師』と呼ぶか『人形師』と呼ぶかでその人が民間人か軍人か分かるぐらい、彼もまた毀誉褒貶の激しい人物だった事は間違いがない。
 だが、機械化の推進で五割、無理すれば七割の削減ができた艦艇乗員の削減を三割に抑えたのも彼の功績である。
 その結果、近年再侵攻を開始している帝国軍との戦闘における大規模コンピューターウイルス障害などで、艦が航行不能になる事態を避けれたのだから誰も文句が言えなかったりする。
 なお、准尉をはじめとした最新世代アンドロイドは、自立型スタンドアローンシステムを標準装備している。念のため。

「見えてきましたよ。
 あれがヤン少佐の船、第三世代ユキカゼ型駆逐艦ソヨカゼV39です」

 オオガコロニーベースを中心に数万を超える宇宙船の群れ。
 その中央に鎮座しているのは全長10000mを超え、同盟軍宇宙艦隊にもたった四隻しかいない艦隊母艦超ジャガーノート型一番艦アルテミス。
 話が戻るが、軍艦・護衛艦にづく最後の艦艇である母艦がこれにあたる。
 護衛艦は星系内活動しか行えない以上、よその星系に侵攻する帝国軍の防衛に行けない。
 それならば、護衛艦をワープができる巨大艦で収納して運んでしまおうという訳だ。
 母艦の発想はここからきている。
 同盟軍は小惑星にワープ装置を取り付けて、建設していたイゼルローン要塞を破壊した経験があった事もあってこの母艦の巨大化にあっさりと賛同。
 かくして、近年再侵攻を開始した帝国軍は、エル・ファシル星系において母艦ジャガーノートと彼女達母艦によって運ばれた護衛艦艇による数的質的優位によって撃退される。
 そして、この会戦によって衝撃を受けた帝国軍は母艦という新しい種類の船の大増産を開始。
 動く移動拠点とその巨大さは専制国家においてわかりやすい権力の象徴として大貴族もその所有がステータスになり、ジャガーノートの登場後に出てきた母艦のことを超ジャガーノート型として区別するようになったぐらい。
 同時に、侵攻軍である帝国にとって超ジャガーノート級の保有は更なる財政圧迫要因となり、大量の推進剤と補給物資を食べる為に同盟領侵攻艦隊の規模低下の一因ともなっている。

 ソヨカゼV39に乗艦したヤン少佐と准尉はそこで先に乗り込んで準備をしていた副長の歓迎をうける。
 
「少佐!
 エコニア以来ですな。
 あの時はこんなひ
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