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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
NO.1、再び(2)
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われるわよ」
「……そんな事、しません」

釘を刺されてしまった……。分かってます、我慢します。あの副官は好きになれそうにないけどヴァレンシュタイン少将に嫌われたくは無い。そのためならどんな我慢だって出来ますとも……、多分……、きっと……、我慢しなくちゃ。また溜息が……。以前の溜息は虚しさが溢れたけど今日は切なさが胸に溢れる。



帝国暦486年 1月12日  帝都オーディン 兵站統括部第三局第一課 アデーレ・ビエラー



兵站統括部第三局第一課に四人の士官が入ってきた。皆若い、二十歳前後が二人、二十代半ばが一人、一番年長らしい一人も三十代前半だ。二十歳前後の一人は金髪の凄い美男子だけどちょっと冷たそうな感じがする。

あれはミューゼル中将ね、となるともう一人の赤毛の若いのはいつもくっいているという噂の副官か。あとの二人、二十代半ばの士官は長身で優しそう、三十代の男性も誠実な感じで好感が持てる。あまり軍人ぽくないな。どうして他の部署には良い男が居るんだろう、兵站統括部にも少しは資源を分けて欲しいわ。

「エーリッヒ」
背の高い士官がヴァレンシュタイン少将に声をかけた。名前を呼んでいる、顔には笑みが有るし明るい声だ。その声を聞いた少将も嬉しそうに声を上げた

「ナイトハルト」
少将が席を立って彼のほうに行く。歩く速度が速い、そして少将の顔にも笑みが有る。余程親しいらしい。 ナイトハルトと呼ばれた士官の階級は准将だ。二十代半ばで准将! 少将程じゃないけどこの人も出世が早い! 好青年で能力も有るなんて最高!

「どうしたんだい。こんなところへ」
「卿に頼みたいことがあってね」
「そちらも一緒かな?」
「ああ」
少将と准将が笑みを浮かべながら話をしている。映えるなあ、第三課の女子課員達は皆五人を見ている。

「応接室が空いている。そこで聞こうか」
「有難う、エーリッヒ」
「久しぶりだね、ナイトハルト。准将に昇進か。おめでとう」
少将達が歩き始めた。少将とナイトハルトと呼ばれた准将は楽しそうに話している。士官学校で同期生なのだろう、年恰好からしてそんな感じだ。

「有難う、エーリッヒ。卿も少将に昇進だ。おめでとう」
「ああ、有難う。ところで何処に配属になったんだい」
「ミューゼル閣下のところだ。もっとも二百隻ほどの小部隊だが」
「これからさ、まだ最初の一歩だろう」
「そうだといいね」

准将で二百隻、若いけど艦隊指揮官として将来を期待されているという事かな。ミューゼル中将の配下ということは次の戦いにも参加するということよね。勝てば少将に昇進か。いいなあ、出来る若手士官か……。

応接室に入ったのは少将とミューゼル中将、それからナイトハルトと呼ばれた士官と三十代の士官だった。赤毛の
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